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「ご、ごめ……ごめんなさい…ぃ」
2人の家につくと真慕は目を真っ赤にして泣いていた
俺に電話をしてきた17:30
あれからずっと泣いていたのだろうか
やっぱり俺は真慕にこれ以上泣かないで欲しい
さっきゆきに代弁してもらうと約束した言葉でさえ、やっぱり言わないで欲しい。
2人の言葉に頷いて、そして大丈夫だから気にしないで。ってそれだけで終わらせたい
珍しく葵はそんなべしょべしょに泣く真慕に「ほら、真慕」と無理矢理立たせる
そんな姿今まで見たことなくて事の重大さに余計頭が回らなくなってくるし、俺のせいでこんなことになっているのだと思うと血の気が引いていくような感覚に襲われる
俺のせいで真慕はこんなに泣いて、
俺のせいで葵は真慕を怒らなくてはいけないし、
俺のせいでこんなに辛そうな顔をさせる
「あ、っあ…ゃ」
嗚咽でヒクヒクしながら必死に俺の名前を呼ぶ真慕
もう見ていられなくて踵を返す
こんな緊張感ある2人なんて見たことなくて手先が震えてマスク越しに口を抑えた
「絢、大丈夫だから」
「や、無理でしょ。」
逃げようとするのを後ろから強引に抱きとめられた
振り払ってゆきの手を叩く
「絢、あーや。」
今度は正面から抱きしめられた
「大丈夫だから。怖くない 怖くない」
おまじないのように背中を擦りながら言われる
今通常運転なのはゆきだけで、そのゆきのいつものテンションに縋るしか無かった
「大丈夫 大丈夫」
背中をさすられ落ち着いてきた頃、自分の状況を理解して恥ずかしくなってそれを払った
「なに。元気になった?
まずは2人の話聞こう?絢が嫌ならさっきの事も無理には言わない。絢のこと追い詰めないなら
大丈夫だから、怖くないから。ね?」
「……ん。」
心臓が小刻みに震える感覚。それを隠して、真慕に近づく。
ゆきがいてくれるから。
「泣きすぎ。干からびるよ?」
「う、ぅ…あやぁ」
てか真慕ほんとに泣きすぎ。
段々と思考は冷静になってきて、目の前の赤ちゃんみたいにわんわんなく真慕にクスリと笑ってしまった
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