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「あー、もう」
「な、何。」
怒ってる?
めんどくさいと思われた?
なに。どうしたの。吐き気は確かに感じて辛い。けれど、それよりもゆきの様子に焦りながら様子を伺う
「俺ってほんと最低」
責められると思った
なのに、ふた言目のゆきの言葉はよく分からないものだった
「なんでそんなこと、言うの」
少なくとも俺はゆきが好きだ
最低なんて、思っていない。どうしたの。
「だってこんな時でも絢の顔が可愛いと思ってる」
それは最低だな
「うける」
「ほんとごめん」
「いいよ別に…ゆきがそう思うなら思えばいいじゃん
…俺はそういうの、引かないよ」
時と場合とかよく言うけど、別にそんなのどうでもいい。
むしろそれでゆきが後ろめたさを感じる方が問題だ
ゆきは自信満々で偉そうで、実際少し強引で、でも優しい人なのは知ってる
それから少し性癖歪んでることも。俺が言えたような事じゃないけど笑える。拗らせてんじゃん。
でもそれで最低だ、ごめん、なんて言わなくていい。
ぽくないじゃん。
吐いてる俺見て可愛いって言ってくるのもちょっと慣れた
だからそんな事で謝んな
「……絢は俺をどうしちゃいたいの?」
好き、ほんとに。なんてふざけたことを言いながらも背中を撫でる手は止まらなくて、そういうところに温かさを感じる
「ありがと、絢」
「なにが…」
「何でもない」
……好きな人、ってずるいよな
極論、最低な言動でも好きってだけで最低な行動には見えないんだから。それが全てみたいになる。
「起き上がれる?」
少し良くなってきて、そのタイミングでよろよろとトイレへ向かった
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