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結局胃の中の物は戻せないまま段々と息を潜め、ただの怠さに変わった
「…ゆき〜」
まだ吐いた方がマシだった
これじゃあ証拠がないっていうか、ゆきの睡眠時間を削って起こしているのにそれに見合ってないっていうか、何ならもっと体調が悪化してくれないと困る
わざわざ起きて面倒を見てくれたゆきに申し訳ない
吐いたとしても、申し訳ないんだけど。
「どうした」
何か訳が分からなくなって涙が浮かんできた
ふざけたように名前を呼んで抱きつけば当たり前のように抱きとめてくれる
「ばーか」
一度溢れてしまった涙は俺の気持ちとは裏腹にぼろぼろと止まらなくなる
ひと言バカにしたのが最後。もうなんか取り繕えなくなって自分の気持ちも分からないままゆきの肩を汚す
「どうした?大丈夫 大丈夫」
「…っ、ぐす」
「息詰めなくていいから。声出しな、苦しくなる」
「ばかぁ」
「はいはい」
体の力を抜けば気持ちがいいくらい落ち着く体制で抱きとめられて文句を言いながら泣くという謎の行為を繰り返していた
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