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「いつもみたいに膝の上においで?今はそれだけ
今日は何してたの?真慕のお話聞きたい」
「…」
ぽんぽんと、膝を叩けば俺の様子を伺いながらも少しづつ近ずいて来てくれてぴと、といつものようにくっついてくれた
「寒くない?」
「うん、…葵は 」
お風呂あがりのいい香りと柔らかいパジャマが抱きしめたくなる衝動を後押しする
「俺は大丈夫。今お風呂出たばかりだし」
「…そう」
「今日は何してたの?」
真慕の声を聞いているとドキドキして、もっと聞きたい、もっと見たいとさらに求めてしまう
「今日は…お昼に起きた
それからあっちの部屋の動かして遊んでた。それだけ」
あっちの部屋。
それはリビングでも寝室でもない、役割を当てるとするなら趣味部屋?そんな部屋
ぬいぐるみ、小物、インテリア、雑貨。
真慕が欲しがったもの、出先で真慕に似合うと俺が勝手に買ってきたもの、そういう物をひとつの部屋に綺麗に並べている
定期的に真慕はその部屋を掃除をしたり、触ったり、遊んだり、そういう時間を過ごしている
勝手に触ると何も言わないけど少しだけムッとする
お気に入りのものが詰まっている大切な部屋だ
「何で遊んだの?」
「小さいパズルと、あと毛のくるくるしてる猫のやつ触った」
話している内に体から力は抜けていき、いつもの様に寄りかかりながら話してくれる
上から見ていると長いまつ毛に光が当たって目元に影をつくる
それさえも美しさの助長に感じた
「猫のと、子猫の、今度洗って」
ぬいぐるみと言っても子供用の簡易的なものじゃない
大人に向けられたような丁寧で繊細で、顔立ちにまで意識して作られているそれはきっと、真慕の宝物だろう。
「俺がやっていいの?」
「やり方わかんないから。しっぽとか手、取れないように洗える?」
「もちろん」
「やってくれる?そしたらいい匂いのつける」
いい匂いの、とは香水のこと。
真慕自身は付けないけど、柑橘系の淡い香りのものを以前ネットで買ったようで、ぬいぐるみにかけていた
細い指でぬいぐるみの頭を撫でたり、香りをつけたりしているのを見ると堪らなく優しい気持ちになる
楽しみ方が女の子みたいで、優しくて、なんというか癒される
「わかった。今度の休み一緒にやろうか?」
「俺も?」
「そ。洗うの見てなくていい?」
「見てる」
そんなに話自体はしていないはずなのに時間はすぐに過ぎていく
真慕といると本当に早い。
実は本当に早くなっているのではと可能性を疑うほどだ
今だってもう0時直前。
膝の上でお話してくれる真慕の頭を抱き寄せた
「葵?」
「ほんとにいつもありがとね、俺の傍にいてくれて」
「何いきなり」
「真慕のこと、本当に大好きだからそばに居てくれることが堪らなく嬉しいって感じる。だからありがとう」
「葵ってほんと変」
真慕は何言ってるの。と少し呆れた顔で笑った
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