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肌に触れればそれだけで分かる自分との違い
真慕の腹部は細かった
さらさらで、柔らかくて ぽか、と温かくてずっと撫でていたいほど気持ちいい。
時折動くけど少し力が入る程で、腹筋なんかは殆ど無いようだった
職業柄、人の皮膚に触って触診することはよくあって、でも触れるだけでこんなに緊張したのは初めてだった
指の動かし方ひとつ間違ってはいけない。
「痛くない?」
「触ってるだけじゃん」
「それでもだよ。痛くなったら言ってね」
真慕の場合心理的に突然パニックを起こしてもおかしくない
ただこうして触れているだけでも激痛を思い起こさせてしまう可能性は充分にある
「真慕、すきだよ」
さわ、と横に動かせば一瞬息を詰めて顔を俯かせる
「大好き」
真慕が耐えてしまう前に。
服から手を抜いて、いつもの様に抱きしめる
「だいすき。
大丈夫 大丈夫」
「…わかってる」
真慕は意外と大人しかった
もっと嫌がったり抵抗したりするかと思っていたけれど、実際はされるがまま
その事実がどうしようもなく可愛い
「真慕のお腹気持ちい」
「葵と違う?」
「触ってみる?」
「ぇ…俺が?」
「そ。いいよ?」
少し服を捲る
真慕は少し照れたように視線を逸らした
「……ちょっとだけ。」
「ふふ、もちろん」
細くて小さな手が、つ、と腹筋を撫でる
別に特別鍛えている訳ではなかったが少しは割れている
というかこれで俺ぽっちゃりでお腹とかでてたら別の意味で大好きな真慕には見せられたものじゃない
ぽっちゃりはぽっちゃりでいいけど、俺としては少し割れてるくらいを見せたい
「お腹硬い」
「もっと硬くできるよ」
ふ、と力を入れれば真慕はおもちゃに触れるように「硬い、すごい」と面白がっている
…良かった、怖がってない。
「真慕も多分できるよ
ふっ、て力入れてごらん?」
「…っふ」
「ふふ、柔らかい」
真慕多分本気で腹筋ないな
腹筋は愚か背筋も足の筋肉も、なんなら体力だってない
でもそれさえも可愛いと思えてしまう
それから真慕のお腹を撫でて、抱きしめて、冷えないようにちゃんとしまって、それから1番大事なこと
最後に「ありがとう」とお礼を言った
「…嫌じゃなかった?」
「嫌なわけないよ、ありがとね」
「ううん…葵が触ってくれたら、ドキドキした」
この子はもうほんとに。
押し倒して脱がせてしまいたくなる
しないけど。
絶対そうなってはいけないけど。
それから真慕は布団の中で次第に眠った
…怖がられなくてよかった
でも今日が大丈夫でも明日が大丈夫ということにはならない
大切な人だからこそ、絶対に傷つけてはいけない人だからこそ、バカにされても言い返せないほど緊張して触れないといけない
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