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「ただいまー」
葵の声が聞こえて何故か酷く焦った
どうしていいか分からなくなって、取り敢えず立ち上がる。という謎の行為をしようとして思い切り膝をテーブルにぶつける
「どうしたの」
音を聞いてか、大丈夫?どこかぶつけた?と直ぐに飛んできて頭や背中を撫でられる
「…足。」
ぶつけつのは足だ
「あ、少し赤くなってる
冷やそうか、痣になっちゃうと痛いし」
そう言うと直ぐにキッチンへ。
葵は「ごめんね、ちょっと待ってね」なんて言いながら氷を出している
俺はそれをぼけっと眺めていた
「…今日絢きた」
「え、そうなの?いつ?」
「お昼頃」
「そうだったんだ、お菓子とか何も無かったでしょ。ごめんね
ちゃんとストックしておかないとだなぁ
よいしょ、ちょっと冷たいよ」
俺を膝の上に乗せたあと、タオルで包んだ氷を膝に当てられる
なんで葵ってこんなに俺のこと大事にするのだろう
別にこんなの放っておけばなおるし、何なら玄関にいたのだから気づかなくてもおかしくないのに。
「痛くない?」
「うん」
「よかった
絢ちゃんと何してたの?」
「………べ、別に」
もうシた?
絢の声が脳内再生されると葵との距離を途端に意識し始めてしまう
「ふふ、そっか
絢ちゃん先輩と上手くいってるみたいだよね」
葵は俺を見ると何故か嬉しそうに笑った
「そうなの?」
確かにゆきさんのことを話す絢は少し嬉しそうだった
「この前院内で先輩に会ったんだけどね、そこで少し話してさ。
絢ちゃん先輩1人に関係絞って付き合ってるんだって。
自分の体のことも話せたみたいで先輩も気をつけて体調みてる、って言ってて。
よかった。」
絢が恋人を1人に絞る?
「ゆきさん、すごいね」
少し前の絢では絶対にそんな付き合い方はしなかった
誰か一人に依存するのは怖い、とまで言っていたのだ
それを変えてしまうのだからゆきさんはすごい。
絢はゆきさんが好き…?
今日電話が鳴る直前に絢が言いかけていたのはその言葉なのだろうか
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