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186 side葵
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「今日はお勉強会です」
昨日から話していた今日の予定。
「…うん」
用意したのは性に関する本。
といってもエロ本じゃない。
そんなものは真慕の教育によろしくないのでダメ。
用意したのは病院でも説明するような身体の機能を重視して書かれたシンプルなもの。
真慕は今まで極力そういうことを避けてきた。
知識がかなり偏っている
性行為は痛いもので、暴力だと思い込んでいる節がある
誤解をときつつ、少しだけ男性同士の仕方も話してみようと試みている
「まず初めに。
嫌だなって思ったらすぐに言ってね
それは恥ずかしいことじゃないし、デリケートな話をしているから他の人と比べないで真慕の気持ちを正直に教えてね」
「…うん。」
きゅ、とクッションを抱きしめてそこに顔を埋めている
少し緊張しているかな。
本を開く
最初のページにはカラーで男性と女性の身体の絵が書いてある
体内の臓器もわかる絵だ
「こっちが男の人で、こっちが女の人。
この絵見るのは大丈夫?」
じ。と一瞬みて、見るからに顔色が悪くなったのがわかった
「…っ、や……やだ」
「うん、分かった。大丈夫
閉じよう、無理しないでいいよ」
「っ、やだ…!」
「大丈夫 大丈夫。見ないよ」
直ぐに閉じて背中を摩る
今まで俺の手を受け入れてくれていた真慕。背中に触れるとカタカタと震えだして手を払われた
「っ〜!」
「辛いね、ごめんね」
少し暑くなってきた最近。
緩い半ズボンを履いていた真慕は肌の露出までもが怖くなってしまったのかブランケットにくるまった
俯いて、辛そうに震える
声に出してくれたらいいのに。
真慕は怖いと声が出なくなる
当時、入院していた時もそうだった
昨日の夜はほわほわと色んな話をしてくれて、それを思い出すと胸が潰されそうな程痛んだ
こんなに真慕が辛い思いをしてまでする事なんてある訳ない。
もうやめよう。
俺のことを思ってなら大丈夫だよ
だから無理しないでいい。
ブランケット越しに髪を撫でればびくりと震えられる
「なに?」なんて照れ笑いする真慕はそこにはいない
怖がって、びくりと震えるだけ。
ごめん
俺が悪かった
だからもう泣かないで、震えないで、怯えないで。
大丈夫だから。
真慕のこと攻撃しないよ、意地悪もしないよ
だからもう泣き止んで。
いつもみたいにソファで脱力しながら一緒にテレビ観よう
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