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191 side葵
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side葵
「真慕〜ただいまー」
「おかえりなさい」
今日1日一言も喋っていないんだろうな、というようなゆっくりで小さくて、ちょっと舌足らずな声
もうそれだけで庇護欲が湧き上がる
「パジャマのままなの珍しいね」
特に返事はなくて、代わりにちらりと自分の服に視線を向けている
「似合ってる」
「いつも着てるじゃん」
「その日はその日の真慕が居るから」
「意味わかんない」
パジャマを引っ張って、んー。と不思議な顔をする
「ご飯食べた?」
「…」
あ、食べてないな。
「何か食べたいのある?すぐに作れるよ」
「いい」
「要らないの?」
こく。と頷かれる
どうしたんだろう
服もパジャマのままだしご飯も食べてくれないし。
もしかして体調悪い?
おでこに触れてみると熱は無いようだった
顔色も悪くはない
「うどんなら少し食べられる?」
食器の状態を見るからに昼も抜いているようだ
「うどん?」
「そ。柔らかいやつ」
「…葵つくるの?」
「うん、俺が作るよ」
「…あとで、」
「後で食べる?」
「うん」
食欲が無いというのは心配だ
真慕は元々食べることが好きではないようで、放っておくと本当に食べてくれない
一緒にいて、美味しいねと声をかけると少しずつ食べてくれる、という感じ
今すぐにでは無いけど、食べると頷いてくれたのでキッチンに立って夜ご飯の準備をする
真慕はソファで静かに可愛く眠っていた
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