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193 sideゆきひろ
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sideゆきひろ
「絢」
「なに」
名前を呼べば怠そうに、でもちゃんと話を聞こうと傍まで来てくれる
もちろん家でふたりきり。
マスクは外してくれていて、暑くなってきた最近、見られるのを頑なに嫌がっていた腕も、心を許してくれたのか半袖を着て過ごしていた
こんな姿、俺以外には見せないのだと思うと優越感が凄い
「なに?あんま見んなキモい」
「ボロクソ言うじゃん」
「で?なに。」
顔はタイプだし白い腕はさらさらできらきらですぐに触りたくなる
リスカの痕だって絢が頑張って生きているのを教えてくれているようで、そういうのを見てしまうと余計に安心させて、甘やかしてやりたくなる
「絢の事を旅行に連れていきます
場所は○△
日時は来週の日曜と月曜日。
メンバーは絢と俺と真慕、葵。」
「旅行?」
「そ、たまには。気分転換も兼ねて
この前の質問はこれの為」
「あー、なるほど
え、ほんとに行くの?旅行。」
「もしかして嫌?」
「嫌じゃないけど…遊ぶだけの旅行とか、行ったことなかったから」
「じゃあ余計連れていかないとだな」
「変なこと言って空気壊したらごめん
何か言いそうだから先に謝っておく」
基本的に人と長時間いることをあまり好まない、というのは最近少しずつ分かってきた
人といること自体は嫌いじゃない
むしろ好きなんじゃないだろうか。けれど、なんの理由もなく一緒にいる時間とか何もせず隣にいるだけとか、それが長く続くと少しパニクってくるというか、イライラしてしまうようで、それはその人が嫌なのではなくて『どうしていいか分からない時間』が焦りをうんで、焦りは苛立ちに変わる
結果、絢は1人でパニくる
という流れ。
たまに俺相手でもそわそわと落ち着かなくなって、次第に「何?怒ってる?」と不安そうな顔をしながら切羽詰まっていることがある
今回行くと言った場所
少し移動時間がある
車に乗っているだけの時間とか、宿で過ごす時間とか、普段より『他人』といる時間が長いから、本人なりに自分の性質も理解した上でそういうことを言うのだろう
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