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196 side葵 旅行の準備
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side葵
「葵…」
「ん〜?」
今日は夜になりきらない時間に帰ってこられた。
いつもの夜ご飯の時間まで結構ある
こういう日は火をじっくり通すものを作るのが俺の中で何となく決まっていた
何食べたい?といくつかレパートリーをあげると真慕は中から肉じゃがを選んだ
珍しく甘えたな真慕は料理中、後ろから緩く抱きついてきた
可愛い真慕のデレタイムだ
「なに作ってるの?」
「肉じゃがだよ?」
ぷに、と頬に触れるとふい。と顔を逸らされる
「それ大変?」
「ううん、料理するの好きだし。
それに真慕が食べてくれる時のことを考えながら作ると楽しくなる」
「変なの。」
真慕は中々離れなかった
他人は怖いのに俺のことは好きと言ってくれるし、こうしてぴたりと真慕からくっついてくれる事実が堪らなくてどうにかなってしまいそうだ
「ねぇ」
「んー?」
今日はその優しい声が沢山聞けて嬉しい
じゃがいもを切りながら思わず頬が緩んでしまう
「旅行、ね」
「うん」
「昨日少し準備してみた
服。…葵のも」
「えっ」
思わず手が止まって振り返る
真慕は驚いたように目をぱちりと瞬かせた
「それって、俺に着てほしい服ってこと?」
なにそれ。どれ?どれ選んだの。
真慕はどの服がいいと思ってるの。
「そ、だけど…なんでそんなに食いついてくるの」
「だって真慕が選んだんだよ?
料理中断。1回それ見に行こう。」
「ね、なんで。
恥ずかしくなってきたからやだ」
背中の服を握っていた手が腰に回ってきて、ぎゅ。と歩きかけた俺を止める
あぁ、真慕という生き物は本当に…
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