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「ただいま〜」
19:00には帰ってこられた
「おかえり」
「ただいま。すぐ行ける?」
玄関に現れた真慕はロールアップしたジーンズに黒Tシャツ。
オーバーサイズなそれは華奢さが際立ってそれはもう似合っていた
「うん」
白色のスニーカーをゆっくり履いて、それから「行こう?」と袖をちょん、と握られた
街中に向けて車を運転しながらこれから行く場所のレパートリーを思い浮かべる
「歯ブラシは薬局にあるかな」
俺のもはや独り言に一瞬こちらに視線を向けて、また前に戻すと、少しして口を開いた
「可愛いのがいい」
え、なに?え?
歯ブラシかわいいのがいいの?
えぇ?まって。
なにそれかわいい。
そんなに可愛いこと言う子俺は知らない
内心悶えながらも「じゃあ靴下も買うしショッピングモール行ってみる?」とあくまで露骨に反応しすぎないように徹底して提案する
確か21:00まではやっていた
ふたつの買い物であれば時間は充分だろう
「うん」
こく、と頷いた真慕は少し嬉しそう
「楽しみ?」
つい、聞いてしまった
「…たのしみ、だよ
だって行く場所、うれしい」
「そっか」
丁度赤信号で、思わず髪を撫でてしまう
逃げられるかと思ったけど、なに?と見上げられた
真慕は最近、本当に変わった
人と関わることを心のどこかで、少しだけ楽しんでくれているような、そんな気がする
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