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202 sideゆきひろ
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sideゆきひろ
「ゆき、ちょっといい?」
仕事から戻ると玄関でそう声をかけられた
改まって珍しい。
ちゃんと聞いてやろうとリビングに向かった
「どうした?」
視線を泳がせ落ち着かない様子。
顔色もあまり良くない
「…その、さ」
「言いずらいこと?」
俯いて、指を組み替えてはそわそわ。
次の言葉は中々出てこない
「あー…やっぱいいや。ごめんなんでもない」
諦めたかのように今度は早口でそう言う
「なに。言って。」
思わず強く言ってしまえば、びく、と背中を震わせた
「……っ」
どうした?
傍によろうと腰をあげると「ま、待って」と怯えた声で言われる
「その…き、今日」
「うん」
「朝、さ。ゆきが行ってから、過呼吸になった。
それから目眩、ひどくて…旅行、もうすぐじゃん。ちょっと、その…」
「行くのしんどそう?」
「だ、だってほんとに!前見えないくらいっ」
「待て、責めてないだろ。」
というか今は。どうなった?大丈夫な訳?
「薬は飲めた?」
「半分…」
いや意味わかんないから。
半分てなんだよ
なんで半分飲んでやめた。
「いつ飲んだの?」
「昼」
半袖を着ている絢。
新しいリストカットの痕にも気づいてしまった
なにか精神的に引っかかってる?
ちゃんと話を聞いてやる時間作らないと。
そう思って、でもそれを彼にそのまま言えば袖は長袖になること間違い無しだし、気持ちも結局聞かせてくれないような気がした
「じゃあもう成分は残ってないな。
今はどうなの、呼吸とか目眩。」
手首のことは気づいていないように振舞って、そして1回寝かせるか
昨日も俺が寝るタイミングではまだ起きていたし。
少し寝不足もあるかもしれない
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