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じ、と俺を見たあと少しして小さく口を開く
「…気持ち、悪い。目眩は少しだけ」
「旅行のことは気にすんな。とりあえず薬飲んで横になれ」
ほら、ベッド行ってな。と誘導する
それからキッチンの横にかけてある病院から貰った絢の薬と水をとって寝室に向かった
「電話くれれば1回戻ってきたのに」
「別にそんなじゃないし」
「目眩、酷かったんでしょ?不安だったんじゃないの。」
「……。
弱み握らせたくない」
沈黙は肯定。
それからそんなことを言って誤魔化す彼にくす、と笑ってしまう
「弱みとか。そんな酷くねーよ?」
「…わかってる。」
「ふは、言ってることブレてんじゃん
体少し起こせる?」
背中に手を入れて支えてやりながら薬と水を渡す
いつもより幾分か辛そうに眉間に皺を寄せながら、俯いて薬を飲み込んだ
「えらい。
あとは寝てな
何かあったらケータイでもなんでもいいから呼んで」
「はーい」
いつもの調子で軽く返事をされ、少し安心する
また体を横に戻して布団の上からぽん、と腹の辺りを撫でた
「なに」
「んーん。なんでも」
旅行、しんどいだろうか。
連れていくと言った日、楽しみだな。と声をかけると可愛い顔で珍しく小さく笑っていて、いい日にしてやりたいと思った
あの顔を見てしまうと、体調のことで行けなくなってしまうのはどこか可哀想で、でも絢の体は何よりも大事でどうしたものかと頭を搔く
とりあえず、目を覚ましたら様子を聞くか。
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