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222 side真慕
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side真慕
「美味しいね」
「うん」
今日は土曜日。
葵と2人でゆっくり持ち物の確認をした
もうスーツケースは玄関に置いて、今は夜ご飯を食べている
親子丼。
肉を食べるのがあまり好きじゃないとバレているのか、卵と汁を少し多めに入れてくれた
…明日は旅行か。
ちまちま食べながらぼんやり思う
外が怖くなくなった訳じゃない
遊ぶのだってやっぱりお昼が中心だし、胸がざわざわする感覚はある
だけど葵や絢、ゆきさんと新しい思い出ができるのだと思うとそっちの方が楽しみだった
絢と遊ぶのは殆どが夜。
BARでメンヘラエピソードを聞いたりしてる
前に1度卓球をしようと昼に遊んだことがあった
お互い下手くそでラリーも全然続かなかったけど楽しかった
絢と遊ぶのは楽しい
つん、としているように見えて意外と優しいから。
話していると最後までちゃんと聞いてくれるし、相槌も優しい。物の扱い方もそっと丁寧で怖さを感じたことはなくて、だから俺は絢と友達でいられるし会いたいと思える人でもあった
優しくて、一緒にいると楽しくなる
そんな絢と友達として出かけられること。
そこに葵やゆきさんがいてくれること。
きっと、遠くへ行かなくてもいいんだろうな
この人たちと遊べることが嬉しい
「なに可愛い顔してるの?」
「可愛い顔?」
「にこ、てしてた」
葵はいつも穏やかに笑う
今日も例外ではないようだった
ご飯を食べ終え、今度はスローモーションの如くゆっくりお風呂に入る
それからいつもしている様に葵の膝の上でテレビを見る
うとうとしてきて、目を擦った
「今日もお疲れ様、がんばったね」
優しい、声。
その言葉を聞くと心が軽くなる
それからぽつぽつと会話をして寝室に向かった
寝落ちる寸前に「忘れてた。」とか言って来てくれない絢が頭に浮かんでメッセージを送った
直ぐに既読がついて、それを見届けると目を瞑った
「真慕、だいすき。おやすみ」
葵がそう囁いたのは俺が眠ってからのことで、頬にされたキスなんて知らずに夢の世界にいた
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