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部屋に戻ると珍しく、ぎゅ。と言葉もなく後ろからそっと抱きついてきた
…トン。
背中に頭を預けられたのが見ずとも感覚で分かる
そのどれもが触れるか触れないかくらいの緩いもので、その控えめさが絢らしくて可愛い
「なーに。どうした」
後ろから回された腕に手を乗せる
「なんでもない」
今までこんな風に甘えられたことは無かった
ほんと、どこで覚えてくるの。
「そんな可愛いことされるとこのまま乱暴に脱がせたくなる」
「っな、…お前はすぐそういうこと言う!」
振り返るとバッと手を離されてしまって苦笑する
綺麗な紫色の髪を後ろから優しく抑えて、そのまま胸まで引き寄せる
案外直ぐに腕の中に納まってくれた
「っ、なんだよ」
「いや?ただ可愛くてつい」
「こういう風にされるの好き?」
「好きっていうか、絢にくっつかれてる事実が良い」
「良い、ってウケる。何その感想」
本当に絢は特別。
他人を抱きしめて触れたところから温度を感じて。
それを嬉しく愛おしく思うことなんて今まで無かったのに
「今日は後温泉入ってゆっくりしよ」
抱きしめながら緩い言葉を落とせば頷いてくれて、暫くそうした後惜しみながらも腕の中から解放する
準備が苦手な俺らはダラダラとテレビを見たりケータイを見たり、無駄話をしたり。
パッとやれば10分もかからないそれを40分程かけて終えるとやっと大浴場に行こうと部屋を後にした
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