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ケータイをテーブルに戻し、付けていたテレビに視線を送る
距離があるから出ている人の顔はぼやけて分からないけど音からしてバラエティ番組がやっていることは分かった
「やっぱり気になる」
「なにが」
突然改まって隣に座ってきたゆきに無意識的に少し距離を取ってしまう
「言ってもいい?」
「え、なに」
「旅行中に聞くことじゃないかもしれないし、絢はたまにそういう顔をするから日常的に感じてることかもしれない」
「…なに。」
突然切り込んできたゆきに居心地が悪くて読めもしない漢字がたくさんの宿の案内書を開いた
「絢はどうしてそんなに自分に自信がない?」
「は、なに急に。」
「もっとぶつかってきてよ」
「ぶつかる?」
「どうしていつも人に合わせようとすんの」
なに。
俺怒られてる?
何か良くないことでも言っただろうか
「それが上手い世の渡り方なのはわかる。でもそれを俺にまでする必要ない
昼。寝る前に思い詰めてた時何思ってた?すごく不安そうなのに何も言わないし。
ずっと気になってた。1日。
最近やっと嫌とかこうしたいとか言ってくれるようになって俺は嬉しかった
絢がそれを苦手としているのを知ってるから尚更。
ただ付き合ってるだけ。そういう関係じゃ嫌だって前に言って、絢なりに頑張ってくれてるんだなって。
でもやっぱり、肝心なことはまだ隠されてる
まずは試しに、昼に思ってたこと言ってみて。大丈夫だから
俺は常に色んな場面で絢の1番でいたい。
だから全部教えてよ」
ね?と自信ありげに微笑まれる
ゆきは本当にずるい
ゆきにならいいかって、そう思わせてくる
あまり重い雰囲気だと言い出せないことまでわかって「試しに」なんてふざけてくれる
少し考えてからマスク越しに小さく口を開いた
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