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273 side葵 真慕へ
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side葵
まずは落ち着かせて、安心させてあげること。
それにひたすら専念する
真慕は今日買ったばかりのふわふわの子犬のぬいぐるみを抱きしめて耐えるように小さな声で泣く
さっきまで真慕とは一緒にお風呂に入っていた
外を歩いたから体が冷えないようにしっかり温まってもらって、それから頭を洗ってあげた
真慕はまだ大浴場での入浴はできないから室内のお風呂。
それでも露天風呂まであって充分過ぎるほどに満喫できた
お風呂上がりで赤くした頬をつんつんと撫でては癒され。
冷えないようにと浴衣の上から羽織りを着させる
髪を乾かしてお水を渡すと少しだけ飲んでくれた
食事もお風呂も落ち着いて、少しの沈黙が流れる
昼間に「ずっと聞きたい事があった」と言っていた真慕。
直ぐにその事が気になって、それと無く話を聞く雰囲気をつくった
そばにやってきた真慕は俺をちらちら見ては困ったように俯く
それでも暫く待っていると「…昼に言ってたことなんだけど」と自信なさげな声が届いた
「うん。教えて?」
「あんまり、言いたくないから…その、今から言うことは、この宿に置いていって欲しい
家に帰ったらもう、聞かないで。」
わかった、と真剣に返す
顔を見られるのが嫌なのか背を向けて、暫くの沈黙が続いた
時間にすると5分程だろうか。それから真慕は「俺と葵が初めて会った時のこと」と言った
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