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side絢
マジでダサい
先程のことを思い出すと顔が熱くなった
転ぶとか、今どき小学生でもしない
咄嗟についた手が少し赤くなっているのを見てまた恥ずかしい気持ちになって裾に隠す
…ケータイ、割れなくて良かった
手に持っていたから転んだ瞬間絶対割れたと思った
何とか生き残ってくれた必需品であるそれを眺めながら注文したものが届くのを待つ
真慕と葵は、もう注文したというのにメニュー表を見ては「こんなのもある」「可愛い」「次きた時はこれ頼もうかな」なんてさながら女子のように盛りあがっている
「お待たせ致しました、限定いちごパフェのお客様はどちらでしょうか」
小さくそわそわと手を上げる真慕
目の前にパフェが置かれると嬉しそうにパッと表情が明るくなった
それから葵はマスカットパフェ、俺はフライドポテト、ゆきは謎にハンバーガーセット。いや1食の勢いじゃん
どんだけお腹すいてたの。
「うまー」と頬張る姿に思わず「ハンバーガー好きなの?」とか「俺のポテト少しあげるから、一緒に食べたら美味しいんじゃない?」とか「飲み物頼む?」とかつい話しかけたくなってしまう
でもゆきが恋人と知っている人達の前で、彼に向けてだけ声をかけるのはイチャイチャしてる思われたら嫌なので黙ってポテトをマスクの下から黙々と食べる
「ね、パフェ美味しいよ。絢も頼んだら?」
テーブルの柄をぼーっと眺めながら無心で食べていたら真慕に声をかけられハッと顔を上げる
トッピングも可愛いから、と勧められて悩む
「俺はこれでいいー」
そんなにお腹も空いてないし。
「店でポテト食べてる率高い。好きなの?」
「うん」
「知ってた。
あ、1口だったら食べてくれる?」
「ふは、そんなに?」
「うん、どーぞ。」
にこ、と柔らかい表情で口の前に出される
ポテトとは違ってマスクの下からは食べられない
渋々マスクを外すと差し出されたスプーンをぱく、と咥えた
「ね、美味しいでしょ?」
1口に色々乗せてくれたのか、いちごやクッキー、チーズケーキの味もして、甘いだけじゃなくて食感や味も美味しかった
頷けば「そうでしょ」なんて得意気。
お礼にポテトをあげたら美味しいって食べてた
しょうがないから2本あげた
「ほんと絢ちゃんと真慕って仲良いよね」
「ボケっとしてるから嫌いじゃない」
「え、何それ。真慕の悪口ー?」
真慕はふわふわしてる
突然ケツ突っ込まれたり、八つ当たりされたり、手を上げたりしてこないと確信しているのは真慕くらいかもしれない
彼は絶対にそういうタイプではないと何故か確信できた
「褒めてる」
真慕といるとリラックスできる
不思議と自分の話もできてしまう
真慕は、そういうやつ。
俺が言おうとしている雰囲気が葵には伝わった様で「分からなくはないかなぁ」と嬉しそう
その間、真慕はパフェに夢中で俺たちの話は聞こえていないようだった
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