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葵って、こういうとき俺のこと守ってくれるんだ
「大丈夫?怖かったよね」
腕も、引っ張ってごめん、と。
守って、くれたんだ…
助けてくれるんだ。
俯いていたら涙が溢れてきた
怖かったからじゃないと思う
多分、嬉しかったから。
守ってくれたこと。それから、相手に敵意を向けてくれたことも。
昔、助けてくれると信じて父さんに叫んだ時のことを思い出した
どれだけ叫んでも泣いても暴れても助けなんて結局こなかった
「椅子に座ろうか。」誘導してくれて、ハンカチで目元をそっと拭われる
俺、さっき声さえ出してなかったのに。
触れられてもなかったのに。
事が直結している訳では無い。でも、昔の俺が救われたような気さえした。
「葵」
「ん?」
「その、ありがと…」
「でも怖い思いさせちゃった」
「ううん、大丈夫だよ
…やっぱり俺、葵のこと好き。」
「なに、急にデレないで?嬉しくなる」
「シンプルに喜ぶの?」
「だって嬉しい」
思わず笑ってしまえば、目元の涙を拭ってくれていた手を離してぎゅ、と身体を包まれた
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