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帰り道
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「・・・・んっ・・・。」
ゆっくりと目を開ける。なんか、ふかふかして、ふわふわしてる。
ぼんやりと視界がぼやけてよくわからないが、ゆっくりと歩いているようで、
「・・・?」
首をかしげる。目の前になんかもさっとするのがある。
ゆっくりと手を伸ばしてそっと触る。
「・・・あ、起きたの?春樹?」
「・・・・・っ!?」
「うわっ!?」
目の前にハルの顔が突然見える。それに驚いて少し後ろにのけぞって落ちそうになるのを慌ててハルの肩につかまってギュッと体を密着させた。
あ、危ない・・・・。
どうやらハルにおんぶされているらしくて、結構高さがあった。
「お前…下ろして・・・」。
「えー。」
「えーて・・・お前・・・」
ハルは不満げにしながらも楽しそうに笑っている。だけど、高校生にもなってい、おんぶとか・・・。しかも、飼い犬に・・・。
下剋上ってやつか・!
って、一人で思っていながらもハルの背中の上は何とも気持ち良くて、息をするたびに鼻腔をくすぐるようなハルの匂いが安心化を与えてくれるので、もう少しこうしていてもいいかな~。とか、思ってしまう・・。
「・・・てか、なんでお前おんぶとかできたの?やったことってか、見たこともそんなにないでしょ。」
「あ~、それはね。
春樹が電車で寝ちゃって起きなかったからどうしようかな~、とか思ってたら、春樹が起きて『おんぶして。』って言って急に背中に乗ってきちゃったからそのままで、今にいたるって感じ。」
「・・・・・。」
マジか。
マジか。
顔がとてつもないくらいに一気に熱くなるのがわかる。
そっかー、俺はそんなこと言ったのか・・。
「・・・・・。ん。じゃあ、うん。・・・・・ごめん。ハル。突然、忘れて。」
「え、でも、あの春樹かわいかっ・・・。」
「忘れろぉおおおおおおおおおぉおおおおおおおおおおおお!!!!!」
そんな声が響く住宅街を飼い犬におんぶされて帰る 高校二年の春。
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