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バレンタインデー
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『バレンタインデー』
─レイside─
「はぁ〜……」
疲れ切ったようにシーツに身体を沈めたリトは、重々しいため息を吐いてぐったりと目を閉じた。
「そのまま寝るなよ」
俺の言葉に「ん〜……」と曖昧な返事をするのをベッドに座ったまま静かに見下ろす。つい先程まで繋がっていたリトのソコから、ドロドロと自分の注いだモノがシーツに流れ落ちていた。
何も言わずにリトの片足を持ち上げてみるが、力の抜けている身体はぴくりとも抵抗を見せない。
「ん……」
太ももの内側に口付ければ、僅かに汗の味がして拭うように舌を這わせた。くすぐったいのか、小さく身じろいだリトが眠たげな目を開く。
「やめてよ……もう無理だよ、おれ」
リトは抵抗するのも億劫なのか、言いながら、じとーとした目を向けてくる。その顔を見下ろしつつ、やわらかい肌をついばむように何度も口付けた。
「しないよ。俺も疲れた」
自分の乱れた髪をテキトーにかき上げ、リトの太ももに頬を擦り寄せる。心地よい疲労感に目を細め、余韻に浸るようにリトの肌を撫でた。
「渡すものがある」
そっとリトの足を降ろし、ベッドの上に転がっていたタオルを手繰り寄せる。それを仰向けに寝ているリトの上にかけ、床に落ちていた自分の下着に手を伸ばした。
「……なに?」
ゴロンと寝返りをうったリトが、眠たそうな目でベッドから降りた俺の動きを追ってくる。下着だけを身につけた状態で薄暗い部屋の中を歩き、引き出しから用意していた箱を取り出した。
「ほら」
「……?」
ベッドに腰かけて、リトにそれを差し出す。リトはキョトンとした顔で箱を受け取った。
「……開けていいの?」
「いいよ」
ノロノロと身体を起こしたリトが赤いリボンを解いていくのを眺めながら、ぐしゃぐしゃになっている前髪を指で整えてやる。俺に触られるのを気にした様子もなく、リトはペタンとベッドに座ったまま箱のフタを開けた。
「あ、チョコだ」
中身を見て、バッと顔を上げたリトと至近距離で目が合う。すぐに口元を緩めたリトは、嬉しそうに目を細めた。
「バレンタイン?」
リトは恥ずかしそうに笑い、顔を隠すようにまたベッドに横になった。俺の腰におでこを押し付け、ギュッと抱きついてくる背中をぽんぽんと叩く。
シーツの上に置かれた箱の中から、一口大のそれを指で摘み上げた。
「あー」
言いながらリトの口元へとそれを運ぶ。リトは照れくさそうに顔を上げると、言われるがまま口を開いた。
「ぅン゛ッ」
唇の隙間へとチョコを押し入れ、一緒に指を口の中へと滑り込ませる。リトが驚いて目を見開くのを見ながら、指でチョコレートを熱く湿った舌に擦りつけた。
「ん゛んッ…れ、えさん……!」
眉間にシワを寄せたリトが拒むように俺の手首を掴む。それを無視してチョコで指先とリトの唇を汚していくと、涙目になったリトがキッと俺を睨んだ。
「やえてッ……」
「ははっ」
子どものようにジタバタと身体を動かす姿に思わず笑うと、不満なのか眉間のシワがどんどん深くなっていく。
「もうちょっとだけな」
反対の手で暴れるリトの手をベッドに押さえつけながら、溶けたチョコを飲み込むように指で誘導してやる。素直にリトがゴクッと飲み込んだのを確認し、ドロドロに汚れた舌を愛撫するように指先でもてあそんだ。
「ぁッ……、んぅッ…」
顔を寄せ、リトの口端から垂れていくチョコの混ざった唾液を舌で舐めとる。口に広がる甘さに僅かに目を細めると、リトの顔がわかりやすく赤くなった。
「ん゛ん…ッ」
グチュッと水音が立つように、口の中で人差し指と中指を動かしていると、不意に手首に手が添えられた。俺の手をどかしたいのかと思い無視していると、されるがままだった舌が動きを見せ始める。
「ンぁ…ッ……ふ、ぅ…ん」
ペロペロと子どものように俺の指についたチョコを舌で拭いながら、唇ではむはむと指を噛む。されるがまま手を預けていると、伺うように見てくるリトと目が合った。
「美味しい?」
「ン、おいひい……」
素直にコクッとうなずくリトの舌の感触に、ゾクッとしたものが込み上げる。
「上手」
まるで情事を思い起こさせるような舌遣いに、フッと笑って見せた。
「もう一つ食べるか?」
空になった口の中から指を引き抜けば、リトの唾液が糸を引く。指についたそれを自分の舌で舐めとってみると、微かに甘い味がした。
静かにリトを見下ろすと、熱を孕んだ瞳がうっとりと俺の唇を見ている。
「レイさん、キス…して……」
俺の質問には答えずに甘えるような声音で言いながら、リトが俺の首へと手を伸ばしてくる。
「……いいよ」
それに応えるように身を屈め、押し倒すようにリトに覆いかぶさった。
「ン……」
すっかり馴染んでしまった唇の感触と、いつまで経っても慣れない様子のリトの息遣いがたまらなく愛おしい。
チョコレートの味のするキスを何度も繰り返し、甘い痺れを楽しむように唇を合わせた。
終
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