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1ヶ月分 (3)
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無機質な音が響き渡る。
その音ももう少しで終わる。
俺は勢いよくEnterキーを押した。
「終わったー!」
椅子にもたれかかり腕と背中を伸ばした。
「ほんとに早かったな。普段からそのスピードでできないのか?」
「無茶言わないでくださいよ…もう限界…」
「ははっ。お疲れ様」
そう言うと先輩は俺の頭をポンポンとした。
突然のことで一瞬思考が停止した。
あーーもうこの人はっ!!
頬を緩みを抑えながら、俺はありがとうございますと言った。
「さ、無事に終わったことだし帰るか」
「そうですね、帰りましょ」
俺は少し早い足取りで家に向かった。
そういえば、家綺麗だっけ……。
新たな不安を抱えながら。
*
「少し汚いけど、どうぞ」
「お邪魔します」
先輩を何度か俺の家に招き入れたことはあるが、それでもまだちょっと緊張する。好きな人が自分家に来るとか、いつまで経っても緊張するものでしょ。
「あ、スーツそこに掛けといてください」
「ありがと」
ジャケットを脱ぎ、あの堅苦しさから解放された。
やっと2人きりだ。
俺はジャケットをハンガーに掛けている先輩の肩にポスンと頭を乗せた。ふっ、と少し笑う先輩の声が聞こえた。そしてまた頭をポンポンとされた。
「…俺、そんな子どもじゃないんだけど」
「俺からしたらまだまだ子どもだよ」
「ちょっとの差じゃん」
「ちょっとの差でもだいぶでかいぞ」
少し笑う先輩を見て愛おしさが込み上げる。
この人はどれだけ俺のことを惚れさせれば気が済むの?
俺はソファに座り、ん、と手を広げた。
それに気づいた先輩は少し恥ずかしげに、ぎこちない動きでそっと俺に触れた。その手を引き寄せて、思い切り抱きしめた。
途中うおっ、と驚いた声が聞こえたが、気にしないでおこ。
先輩はゆっくり俺の背中に手を回した。
先輩の感触と匂いでどんどん心が満たされていく。日々の疲れが消えていくような感じだ。
「こうするのも、なんか久々だね」
「…そうだな」
少しくぐもった声が聞こえた。
先輩を感じれば感じるほど、好きという気持ちが増してくる。
「…好きだよ、奏和さん」
耳元でそう言うと、奏和さんは少しビクッとした。その反応がまた可愛い。
「……も」
奏和さんが何か言ったようだったが、くぐもっていてよく聞こえなかった。
「ん?奏和さん、もう1回言って?」
ギュッと奏和さんの手に力が入った。
「………俺も、好き」
思わず変な声が出そうになった。よく我慢した俺。普段奏和さんがあまり言わないからこそ、嬉しさが尋常ではない。
ほんと、可愛すぎる。
「はぁぁ…ちょっと可愛すぎません?」
おっと、声に出てしまっていた。
「…うるさい」
そう言った奏和さんは耳まで赤くなっていた。
もう理性が持たないんですけど。
俺は少し抱きしめる力を緩め、奏和さんに口付けた。ん、と奏和さんの声が漏れた。可愛い。
唇を甘噛みしたり、舌を絡めたりして、部屋にはいやらしい音が響いた。苦しいのか、奏和さんがトントンと俺の胸を叩いた。
俺は名残惜しく思いながら離れた。
奏和さんの息遣いが荒く、余計艶っぽかった。
それがまた俺を煽る要素になる。
肩を掴み、再開しようとしたが奏和さんからストップが入った。
「ま、待ってっ……息、持たない…」
「息遣い忘れちゃったんですか?」
俺は少しからかうように言った。
「そ、そういうわけじゃ…」
「じゃあいいよね?俺、もう結構限界」
奏和さんが何か言おうとしていたが、構わずにソファに押し倒した。
「ちょっ、玲緒くん──。」
そのまま、また奏和さんに口付けた。
1ヶ月できなかった分、覚悟してよ?
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