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夢
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よく同じ夢を見る。
それも年に1度だけ必ず夏の日に見る夢。
そこは
おばあちゃん家の近くにある小さな公園のトンネルの中で日が沈み出して周りは赤紫に染まっている。
そして
蝉の鳴く音と一人の子供の楽しそうな笑い声...
『ねぇハルくん!また━━とあそんでくれる?』
『もちろん!』
『やったー!ぜったいだよ?"やくそく"だよ!!』
『うん!やくそく!!』
『『ゆーびきりげーんまん、うそついたらはりせんぼんのーます!ゆびきった!』』
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ピピピピピ...ピピピピピ...
1LDKの殺風景な部屋に無機質なアラームの音が鳴り響く。
カーテンから少しもれだす朝の日差し、
ハルは重い体に鞭を打ち、起き上がってアラームを止める。
「....またこの夢か..はぁ...なんなんだこの夢は..」
ハルは頭をガシガシと搔き、ぽつりと声をこぼしながら朝のルーティンであるコーヒーを飲む。
ふとカレンダーを見てある事を思い出す。
「あ、今日はばぁちゃんのお墓参りに行く日か...」
ハルは4歳までずっとおばあちゃん家に住んでいたが、
父の急な転勤で都会に引越した。
大型連休の時は決まっておばあちゃんの方からハルたちの家に来てくれた。
普通はハルたちの方から行くのだがハルの家は違った。
おばあちゃんいわく「たまには都会にいってみたいの」だそうだ。
いつもお茶目で元気なおばあちゃんだった。
だが一昨年、ハルのおばあちゃんは帰らぬ人となった。
原因は肺炎の悪化による病死だった。
「...墓参りに行ったあと久しぶりにばぁちゃんが住んでたとこ行ってみようかな」
そうと決まればハルはすぐ支度をし身なりを整え、出かけるのであった。
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