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二人遊び11
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思えばアイツと出会ったのって運命の出会いとかなんとかじゃなくて、本当、普通だったな。
あーあ、なんかもう、全部がどうでもよくなるくらい、アイツに会いたい。
「好きだよ」
アイツは何度だってそう言ってくれた。
でも僕は逃げてばかり。
「あっそ」
まだ、返せてない。
アイツは女たらしだし僕以外の人とヤッてるし
ほんとどうしようもない奴だけど、
でも、、、!
「偽ヒビヤ!」
ドアが壊れてしまうんじゃないかってくらいに壁にぶつかった。
そんなことはどうでもいい。
「い、、いるんだろ?」
アイツはいつも寝室にいるはず
でも、、、
『なら、、、』
あの夢が正夢なら、、アイツはもう、、、
い、、、
僕がひどい妄想に入り浸っている時寝室からベッドの軋む音、そして、、甘い女の声がした
ああ、、そうか。
あの夢の続きの言葉が分かった気がする。
『もういらない』
考えたくないのに、、いくら考えてもバッドエンドでハッピーエンドになんかならない
そうだ、、少し、、ほんの少しだけ
気づくのが遅かったんだ、、、。
《いつも一緒にいるから気づかないことがある。それは離れて初めて気づくものだ》
正にその通り。
もう寝室には近づかないことにしよう。
迷惑だ。
僕だってアイツと同じ立場ならそう思うはず、、。
眉間にシワがよる。自然と目頭が熱くなる。
唇を噛み締めてしまう。
僕が、、、悪いのに。
ひどい顔を見られたくなくて、見たくなくて家から出る。
途中階段で転んで頭にたんこぶが出来そうなくらい痛かったのは気のせいだ。
ジンジン痛む全身の傷も
全部全部全部、、気のせいだ。
正気を取り戻した時には知らない場所に来ていた
。誰にも見つからないような路地裏。
道にはゴミが散らかっていて特に煙草の吸殻が踏みつけられていた。
後ろを振り返ったけど暗くてなにも見えなかった
。静かだ。少し薄暗くて奥の道は洞窟のように暗くて何も見えなかった。
息を呑んだ。
ごくり
という喉から聞こえた音が僕を不安にさせる。
僕は身震いして壁際にしゃがんだ。
体操座りのような格好で座り込む。
お尻汚れるかな、、とか考えなかった。
「もう一緒に居られないんだ」
言われたくなかった言葉を自分で言ってしまう。目頭がまた熱くなる。
やだな、、僕こんなキャラじゃないのに
可笑しい。
笑いたいのに笑えない。
辛い。
悲しい。
苦しい。
ムカつく。
「もう、、この世からいなくなりたい」
そんな絶望を感じている時携帯の着信音が聞こえた。ズボンのポケットから出して画面を見るとアイツだった。
【どこにいる(・ω・`)?】
こんな時に絵文字かよ
偽ヒビヤ、、。
直ぐに返信を返す
【別にどこでもいいだろ】
そっけないけど探して欲しくないからそうしたんだ。直ぐにメールが返ってきた。
【言わないとお仕置きするぞ(∩˃o˂∩)♡】
ムカついて苛立ち気味にメールを打つ
【お前にはもう大切な人がいるからもうほっとけ】
【大切な人はヒビヤだしー(ಡωಡ) ニヤニヤ】
【嘘つけ。女の子といたくせに】
【あれは、、俺が連絡するのやめたいっていったらああなった(◞‸◟ㆀ)】
【嘘つき】
今度はメールじゃなくて電話がかかってきた。
僕は直ぐに切った。
声なんか聞いたら、、。
でも、アイツは何度もかけ直してきた。
何度も切ってたら
【出て】
と絵文字無しのメールがきた。
真剣だ、、。
次にかかってきた電話にはちゃんと出た。
『、、もしもし?、、ヒビちゃん?』
「なに」
『、、、会いたいから場所教えて』
「やだ。、、ていうか分かんないし」
『、、ん、そか、、、で、ヒビヤいい?さっきの本気で好きなのはヒビヤだけだから。』
「嘘つき」
『へー。毎日俺があんだけヒビヤに欲求不満で1日中愛を誓って片時も離れずにそばにいるのに』
「、、知らない」
『じゃあどうしたら分かってくれるわけ?』
「、、、。」
『無視か。俺はこんなにもヒビヤと向き合ってるのにヒビヤは無視か』
「、、、たらし。上から目線で言ってるけどこうなったのは浮気してるお前のせいだからな!」
『ちゅっ、、、ヤキモチ嬉しい』
「こんな時までふざけるつもり、、?」
「、、ふざけてないよ」
電話ごしじゃなかったから、来てくれたから、泣きたかった。
突然現れた偽ヒビヤに僕は微笑んでしまった。
「あら可愛い笑顔♡」
「なに言って、、「もう黙って」
「あっ、、んっ、、やらっ、、はりゃしぇ」
偽ヒビヤがキスをしてきた。
それに逆らえなくて泣けてきた。
「俺の愛、、伝わらない?」
突然キスを止めて切ない顔で聞いてくるから
「うん」
ちょっと気持ちが揺らいだけどまだ素直にならないことにする。
「じゃあ、、伝わるまで捧げるから」
うんざりするくらいに僕に、、、
愛を注いで。
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