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友人の怪訝
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どれくらい、屋上でそうしていたのだろう。
太陽は傾きはじめ、もうすぐ学校が終わる時間になろうとしていた。
もう顔は赤くないし、心臓だって正常に動いてる。
それでも、俺の頭からは宇井原の存在が消えてくれない。
...俺は、一体どうしちまったというのだ。
ふいに、立て付けの悪い扉が音を立てて開いた。
「やっぱ屋上にいたかよ」
入ってきたのは見知った顔。
昼頃、俺に電話をかけてきた俺の友人だった。
「岩瀬か。なにお前いま学校きたのかよ」
「暇すぎてハゲるかと思って」
「馬鹿だろ」
もうすぐ家に帰れるってときに来るやつがあるか。
学校だって十分暇な場所だっつーのに。
「なにお前、なんかあったわけ」
「は?なんで」
いきなりの核をついた質問に、内心ギクリとしたのを隠しながら平然を装い顔をそらす。
「なんかいつもと違くね?なんか阿呆っぽい」
「あ"?しばくぞ」
「ははっ、やってみろや」
ケラケラと笑う岩瀬にむかっと来たが、生憎今の俺は喧嘩って気分じゃなかった。
何時もならすぐに手を出す俺が、珍しく大人しくしてるので、岩瀬は怪訝な顔を露わにする。
「やっぱ何かあったんじゃねえかよ」
「うるせーよ。俺もう帰るわ」
何か言いたそうに口を噤む岩瀬に背を向けて、俺は屋上を後にした。
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