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俺のこと、
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それからしばらくは宇井原が機嫌を損ねていないかハラハラしながら隣に居たけど、特に心配はいらなかったようで、宇井原も普通に笑ってくれている。
「うーん、本当にこれでよかったのか?」
「いいんじゃないか?可愛いと思うし」
宇井原が中々悩んでいたお姉さんへのプレゼントも決まり、俺たちはショッピングモール内をぶらぶらと歩いていた。
「なんか面白そうなとこ、ねぇかな」
「神崎は欲しいのとかねぇのかよ」
「うーん、そうだなぁ」
「お前、耳とかいっぱいつけてんじゃん」
「ピアス?そうだな、そろそろ新しいの買おうかな」
今月はあんまり金に余裕ないけど、欲しいのは本当だし見るだけならタダだし。
3階にいた俺たちは、俺いきつけのメンズアクセの店へ行くべく、その足を下に向けた。
「へぇ、なんか神崎ぽいな」
店に入った宇井原の第一声はそれだった。
「そうか?」
「うん。なんか不良、ってかんじ」
「ぷっ、なんだそれ」
「まぁ、お前は不良つっても不良受けだけどな」
「そのネタはもういいよ!」
ニヤニヤと笑う宇井原をあしらいながら、俺はピアスの売っているブースへ向かう。
結構デカいこの店は、ピアスだけでも結構な種類がある。
シンプルなものから、ゴツいものまでバリエーションも豊富だからなかなか気に入っているのだ。
「これとか、今お前がつけてるのに似てるよな」
そう言った宇井原が手にしたのは、石でできたシンプルなピアス。
確かに色も似ているし、デザインもそっくりだった。
「これダチにもらったやつなんだよ」
「へぇ、そうなんだ」
興味なさそうな返事に、どこか胸の奥がズクリと痛む。
別に嫉妬してもらおうなんて思わないけど、もうちょっと気にしてくれたって...。
そこまで考えてぶんぶんと勢いよく頭を横にふった。
なに考えてんだ俺は..っ!
多くを望まなくても隣で笑ってくれるだけで幸せだろうが!
飛び出しそうな欲を押さえつけて、宇井原にニコリと笑ってみせた。
「..え、なに」
「な、ナンデモアリマセン」
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