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フードコートが程よく空いていた為、並ばずとも昼食を手に入れる。
宇井原はどこに行ったのだろうとあたりを見渡せば、彼はもう席について俺を待っていた。
俺は、手に持った丼を落とさないように小走りで慌てて彼の元へ向かう。
「わりぃ、待たせた」
「別に大丈夫。はやく食べようぜ」
いただきます、と小さく漏らした宇井原は待ってましたと言わんばかりに箸を持った。
どうやら宇井原もかなりお腹が空いていたらしい。
美味しいそうにラーメンを口に含んでいく宇井原。
それを見ているだけで何となく幸せだと思ってしまうあたり、本当に俺は末期なのだろう。
そんなことを思いながら、エビフライに箸を伸ばした。
「んっ、うまい」
サクサクとした衣に肉厚のエビ。
思ったよりもずっと美味かったその味につい声を出してしまうと、ズルズルと麺をすすっていた宇井原が箸を止めた。
「なにそれ」
「あ?エビフライ」
「そんな美味いのかよ」
「ああ、めっちゃうめぇよ!」
少しオーバーなくらいの大げさなリアクションをとった俺をみて、宇井原の視線は自然とエビフライの方へと向かう。
その目が、エサを待つ猫のような可愛らしさを含んでいるような気がして口元が緩んだ。
「食う?」
食べかけの、エビフライを持った箸を宇井原に向けながら、つい口走ってしまった台詞。
自分でやっておいて何となく恥ずかしくなってしまった俺は、あわてて箸を引っ込める。
...否。引っ込めようとして、その腕をガシッと勢いよく掴まれた。
「食う」
「...っえ、」
俺の意思とは反対に、彼の口元へと伸びる俺の腕。
短い返事とともに聞こえてきたサクッとした衣をかじる音。
「ん、確かにうめぇな」
もぐもぐと口を動かしながら、宇井原はペロリと油のついた唇をなめた。
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