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第二章 父の悩みは尽きないのです①
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「はぁ…」
お店で溜息を吐くと、毎朝、モーニングを食べに来る小島さんが苦笑いしながら
「何?又、蓮君と喧嘩?」
そう言って新聞を手にする。
「もう…何を考えてるんだか…」
もう一度溜息を吐くと、小島さんは笑いながら
「ハルちゃんが真面目すぎるんだよ。子育ては、大らかな心が大事だよ」
って言った後
「とは言え、俺は子育てを奥さんに任せっきりだったから分からないけど」
って爆笑してる。
僕が苦笑いしていると、お店のドアが開く。
「いらっしゃいませ」
笑顔で入口を見ると、最近良くうちのお店に来るサラリーマン風のイケメンが来た。
姿からみると、おそらくそこそこの役職なんではないかと思う。
年齢は30代前半という感じで、身に着けているスーツは何処かのブランド物っぽい。
「ブレンド」
彼はそれだけ言うと、鞄からノートパソコンを取り出して何やら仕事をしている。
僕はコーヒーを淹れて彼のテーブルへ運ぶと、モーニングのトーストとサラダを置く。
彼は厚めのパンにバターを塗り、その上にベーコンと目玉焼きを置いたのがお気に召したらしい。
いつも美味しそうに食べている。
僕はスーツを汚さないように紙エプロンも置いて、仕事の邪魔をしないように席から離れる。
「それにしても…蓮君は寂しいんじゃないの?朝も7時から営業しているだろう?
一緒に居る時間が少ないからさ…。俺は有難いけど、モーニングを止めたら?売り上げにもならないでしょう?」
小島さんが提案した瞬間、イケメンサラリーマンの手が止まる。
ジッと見つめられて、僕は苦笑いを返す。
「嫌…モーニングは元々、蓮を引き取った時に支えてくれた皆さんへの感謝で始めたけど、今じゃ楽しみにして下さっている方もいらっしゃるから」
そう返事をした。
「真面目だな~」って言いながら、小島さんは笑ってコーヒーを飲み干すと
「じゃあ、俺は仕事に行くね~」
ってお店を後にする。
「ありがとうございました。いってらっしゃい」
そう言って小島さんを見送ると、テーブルを片付ける。
今日は珍しく、イケメンサラリーマンと僕だけになってしまう。
いつもなら、常連さん達と近場の会社のOLさんが居るんだけど…。
僕が食器を洗っていると
「蓮君と言うのは…君の弟か何かなのか?」
いつもは決して声なんて掛けて来ない彼が声を掛けて来た。
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