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第二章 父の悩みは尽きないのです④
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呆れて苦笑いを浮かべると、やっぱりあの綺麗な女性が僕を見て笑っている。
(何処かで会ったかな?)
ぼんやりと考えていると、蓮がお店から入って来た。
「ただいま…」
「蓮!こっちから入るなって言ってるだろう!」
「良いだろう?どうせ、店を手伝うんだから…」
「はぁ…」っと、わざとらしい位に大きな溜息を吐いて蓮が奥へと引っ込んだ。
溜息を吐きたいのはこっちだよ。
僕も溜息を吐いていると
「ねぇねぇ、ハルちゃん。私、この間見ちゃったの…」
大貫さんの仲間の一人、杉本さんが僕に手招きをする。
「見たって…何をですか?」
思わず手招きに釣られて近付くと
「蓮君、女の子とラブホテルから出て来てたわよ~」
と言われる。
すると、大貫さんグループが「きゃ~!」って盛り上がる。
「え?」
僕の笑顔が引き攣ると
「そうよね…、父親としてはショックよね~」
「分かるわ~」って言いながら、杉本さんが頷くと
「私もね、思わず『蓮君?』って声を掛けちゃったもん」
と続けた。
「やだ~!杉本さん、声掛けたの?」
「え~!だって、気になるじゃない?」
「ねぇ、ねぇ、女の子ってどんな感じの子だったの?」
「それがね~、すっごい巨乳の子で~」
「きゃ~!やっぱり若い子って巨乳好き?」
と、四人が盛り上がる。
僕が呆れていると、蓮が水差しを持って四人のテーブルに行くと
「違うって言いましたよね!」
って杉本さんを睨み付けてコップに水を入れている。
「え~、だって~…ラブホから出てきたら、否定されても…ねぇ…」
四人が目配せをし合っている。
「あれは…知り合いが援交しそうになってたのを見掛けて、連れ戻しただけです!」
水を入れたコップを音を立ててテーブルに戻すと、蓮が四人を睨み付けている。
「れ…蓮!お客様に対して、失礼な態度を取らない!」
僕が蓮を怒ると
「じゃあ、ハルは俺が勝手にそういう事をしてるって言われて平気なのかよ!」
そう叫んで来た。
「そうじゃないけど…」
蓮は怒り狂った顔をして僕を睨むと、大きく溜息を吐いて
「結局、ハルは俺の事なんてどうでも良いんだよな…」
って呟いた。
「え?」
「もう良い!今日、店の手伝い休むから!」
蓮はそう言い残すと、奥へと入って行った。
大貫さん達は、バツが悪そうな顔をすると
「ハルちゃん、ごめんなさいね」
って、代金を支払って帰ろうとした。
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