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第三章 これからの僕達①
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蓮は驚いたように僕を見つめ
「ハル?」
そう呟いて戸惑った表情を浮かべる。
散々、もっと凄いことをしておいて、僕がキスをしたくらいで戸惑う蓮が愛しいと思う。
僕は人より鈍いから、自分の気持ちに気付くのさえも遅かったみたいだ。
「蓮、僕も蓮が大好きだよ」
そう呟くと、蓮は目を見開いて真っ赤な顔をして口をパクパクさせている。
どんなに大人ぶっても、こういう態度をしている蓮はやっぱりまだ10代の子供なんだよね。
「蓮…でも僕と蓮は男同士で、しかも養子とはいえ、親子なんだ。姉さんの子供だった蓮とは血だって繋がってる。たくさんの禁忌を侵してる関係なんだ」
僕の言葉に、蓮はムッとした顔で視線を外すと
「そんなの…関係ないよ」
って、ポツリと呟いた。
「蓮、今はそうかもしれない。でもね、社会に出たらそうはいかないんだ」
そう言いながら、僕はふと思った。
(蓮が大学に行って社会に出たら、もっと世界は広がる。その時でも、まだ僕を好きだと言ってくれるのだろうか?)
急に不安が、胸に込み上げて来る。
まだ、引き返せる。
そんな考えが脳裏をよぎった時
「今の俺はまだガキだし、何を言ってもハルが信じてはくれないと思うけど…」
ガシガシと頭をかくと、蓮は壁に両手を着いて僕を蓮の両腕の中に閉じ込めると、鼻先が着いてしまうんじゃないかと思う程に顔を近付けて
「俺は…物心着いた時からハルしか見てなかった。俺の世界の中心は、いつだってハルなんだよ」
蓮の、まだあどけなさは残っている、けれど間違いなくオスの獲物を狙う強い視線が僕を捕らえる。
端正な顔立ちをしている蓮に、どんな女の子も口説かれたらたちまち虜にしてしまうだろう。
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