アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第三章 これからの僕達②
-
僕は弱虫で狡いから…、今まで蓮を好きだという気持ちに「養父」という蓋をして、見て見ないフリをして来た。
蓮の鋭い眼光は、僕のそんな狡さや醜さを全て見抜いているかのようで直視出来なくなる。視線を逸らした僕の顎を、蓮の指が掴んで蓮の方へ顔を向かせる。
「ハル…、もう逃がさないよ」
蓮の瞳の奥に光る鋭い光。
思わず獲物に睨まれた小動物のように、僕は身動きが取れなくなる。
ドクンドクンと、自分の心臓の音がうるさい。見つめられた視線さえも、縫とめられたように蓮の瞳から外せない。
蓮は僕の顎を掴んだまま、唇を重ねて来た。
そのキスは恋人同士の甘いキスとは違い、まるで獲物を食らうかのような荒々しいキスだった。
呼吸も唾液も、吐息さえも奪い去るような激しい口付けに意識が遠くなる。
必死に蓮の首にしがみつき、遠のく意識を手繰り寄せる。
こんなに荒々しい蓮は初めてで、どうしたら良いのか分からなくなる。
その時「ブチブチっ」と、ボタンが弾け飛ぶ音で我に返る。
蓮の手が、僕のシャツを強引に開いて胸元に唇を這わされる。
「嫌だ!」
思わず仰け反って叫ぶと
「今日は、どんなに泣いて叫んでも最後までするから!」
蓮の瞳に欲情の炎が揺れている。
こんな時、蓮は僕の知らない蓮の顔になる。
「嫌だ…、こんな所で…」
涙が込み上げて来て、僕は必死に呟いた。
蓮は大きく溜息を吐くと
「分かった。此処じゃ無きゃ、良いんだな!」
そう言うと、僕の身体を軽々と抱き上げて、2階の住居スペースへと歩き出す。
アラサーの男が、何が悲しくて10代の…養子とは言え、息子にお姫様抱っこされてるんだろう。
蓮はドアが開いたままの自室へと僕を運ぶと、ゆっくりとベッドへと下ろした。
『ギシ』っとベッドのスブリングの音が大きく聞こえる。
蓮は僕をベッドへ下ろすと、優雅な足取りで部屋のドアへと歩くと、開いていたドアを閉めて鍵まで掛けた。
『カチャリ』と鍵の掛かる音が合図だった。
蓮は先程までの優雅な足取りとはうって変わり、足早にベッドに近付きながら衣服を脱ぎ捨てて行く。その一連の動きや綺麗な蓮の身体に、思わず息を呑む。
見惚れていると、ベッドに片膝を乗せて僕の上に覆いかぶさる。
熱を帯びた視線
甘い吐息
そして、ゆっくりと僕の頬に右手の指の背で触れる。撫でるように頬に触れ、人差し指で唇を撫でる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 24