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ハァッ………ハッ……
何…?何の音だ……?
ハァッ………先パ………
これって……?夢?
「ハッ……ウァッ……望月先輩ッッ!!」
耳元で熱い吐息と俺の名を呼ぶ声に目が覚めた。
覚めたけど、振り向けない。
「先輩…、先輩……っ!」
城崎の荒い息遣いとギシギシと軋むスプリングの音。
オナってる。確実に。
めちゃくちゃ激しいじゃん。待って。
「好き…、先輩……、好きです……、抱きたい…っ!」
エロいって。無理。待って。本当に待って。
はぁっ…と一際熱い吐息を耳元に吹きかけられた瞬間、城崎が達したことを理解した。
城崎は息を整えながら背後から俺を抱きしめる。
俺が寝ていると思っているらしい。
城崎の手が徐々に下腹部に降りていくのがわかる。
やばい、やばい、やばい。
俺、今ので勃っちゃったんだけど…!!
「ん……」
「先輩…?」
城崎の手が俺の股間に到達する直前、俺は寝返りを打った。
あたかも寝返りだと思わせるように、自然に。
「先輩……。」
前から抱きしめられる形にはなったが、どうやら回避できたようだ。
勃ってんのバレたらやばかった。マジで。
安心したのか城崎はスーっと静かな寝息を立てて眠りについた。
俺は目の前に城崎の胸板があって緊張して眠れないんだが?
てかなんなの。同じシャンプーの匂いがするし、体からも石鹸の匂いするし。カップルかよ。
彼女から自分と同じ匂いがしたら幸福感に満たされる。
男の後輩と同じ匂いだと、なんか気まずいな。
ん?気まずいって思うってことは、俺やっぱ城崎のこと好きではないってことか?
好きなら嬉しいもんな。こういう場合。
そう思ったら、なんか緊張が取れてその後すぐに眠りにつくことができた。
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