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「先輩、いい部屋住んでますね。」
「だろ〜?家賃もそこそこで気に入ってるんだよな。」
「家具の配置とかも素敵です。」
「サンキュー。あ、そのへん掛けといて。」
城崎をソファに座るよう促し、俺は珈琲を淹れる。
コーヒーメーカーも買ったんだよな。
豆挽きから抽出までやってくれるちょっと高いやつ。
「いい匂い。」
「だろ?朝はこの匂いから始まるんだよ。」
「いいですね、それ。」
城崎にはブラックを、俺はいつも通り角砂糖2のシロップ1、ミルク多めで飲みやすくする。
テレビの前にあるミニテーブルに珈琲を置き、城崎の隣に座ると、男二人の重さでソファが沈んだ。
「先輩、キスしていい?」
「えっ…?い、いいけど……」
城崎に顎と後頭部を支えられ、大人のキスが降ってくる。
唾液が絡む音が静かな部屋に響く。
恥ずかしくなって城崎の肩を押して距離をとると、城崎の欲情にかられた瞳は俺だけを映していた。
「珈琲…、冷めるぞ……。」
「そうですね。」
「せ、せっかく淹れたんだから…」
「俺、今日一日可愛い先輩見てて我慢の限界です。」
「で、でも…」
「先輩はそういうつもりで俺を家に呼んでくれたんじゃないんですか?俺、期待しちゃったんですけど。」
そう言われると確かにそうだ。
俺と城崎は今正式に恋人関係にあって、そして城崎は俺のことめちゃくちゃ好きなんだから。
ていうか、言い訳ばっか並べてるけど、俺だって…。
「んっ……」
「先輩…」
「………俺もキス、したかった。」
「先輩、好き……」
家に招いた理由は、本当ただ単に友達呼ぶ感覚に近いというか。
もう少し城崎と一緒に居たかったから。
でも確かにここなら誰も見てなくて、二人だけの空間だ。
城崎に甘えたって、多少変な声を出したって、俺たちだけの秘密なんだ。
城崎に跨って、抱きしめ合いながらお互いの唇を貪り合う。
城崎のズボンがパツパツに張っているのに、気づいてないふりをして俺はキスに没頭した。
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