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「先輩、大丈夫ですか?」
「ん〜。気持ちいい……」
「そんな無防備だと襲っちゃいますよ?」
風呂から逆上せて出てきた俺を、城崎はソファに寝かせて団扇で扇いでくれていた。
城崎の膝枕は硬いけどなんか心地良くて、つい夢の世界へ旅立ちそうになる。
「ブイハ付けて〜」
「頭に入ります?」
「もうストーリー頭に入ってるから流してたらいいの。」
城崎がリモコンの再生ボタンを押すと、ブイハシーズンⅠが始まった。
何度もうたた寝していると、いつの間にかもう中盤。
城崎は文句も言わず膝枕を続けながら、俺の髪を梳いていた。
「ごめん…、寝てたぁ…。」
「可愛かったです、先輩の寝顔。」
「うるせぇバァカ。酒…とってくる……」
「転けないでくださいね。」
可愛げもなく悪態をつく俺。
俺だったら絶対こんな恋人嫌なのに、城崎は缶ビールを持って戻ってきた俺を脚の間に座らせて可愛がる。
買ってきたおつまみを食べながらビールを煽ると、程よく酔いが回って気持ちいい。
「風呂上がりのビール美味ぇなあ。」
「一本だけにしてくださいよ。」
「なんでぇ。家だしいいじゃん。」
「これ以上無防備な態度取られたら、俺の我慢がもたないんです。」
「ふーん。」
ぼやぼやした頭で適当に返事する。
俺が寝落ちたら城崎はきっとベッドまで運んでくれるし。
てか俺、この数日間だけで城崎に頼りすぎというか甘えすぎというか。
「先輩ってヒモ体質ですか?」
「そうかもなぁ。」
「俺先輩養うためならもっと頑張りますよ?」
「これ以上甘やかしたらダメだぁ…。俺、もう今年30のおっさんなんだってぇ…。」
「中年太りしないように俺がしっかり管理しないとですね。あと、もっと俺好みにエロくなってもらわないと。」
「エロくならなかったらどうするぅ…?」
「それはそれで愛し尽くしますよ、俺が。」
ちゅっちゅ…と首や髪にキスが降ってくる。
あー、もう。まどろっこしいな。
「城崎、こっち。」
後ろに向き直って、対面座位の体勢で城崎の唇にキスをした。
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