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メッセージアプリに登録されていた約250人の友達は、城崎の手によって50人程に激減した。
終わった頃には城崎は満足そうな表情をしていたが、俺はげんなりとやつれていた。
「あとは…」
「まだなんかあんの…?」
「俺以外の男の人と二人で食事とかは行ってほしくないです。」
「えぇ?」
「だって、こんなに可愛い先輩と二人きりでお酒も入ったら、何が起こるか分からないじゃないですか。」
「俺に欲情する男なんておまえくらいだよ。」
「そんなことないです。」
城崎は不安そうな顔で俺の手を握る。
応えてやりたい気持ちは山々だけど、俺だって約30年間過ごしてきて、親友の一人や二人くらいいるもんだ。
それに女との関係を断ち切れと言うなら、俺に残された友達は男だけになるわけだし。
そこを切られちゃ、城崎と家族以外いなくなっちまう。
「涼真はいいだろ?お前も知ってるし。」
「柳津さん…ねぇ…?言っときますけど去年ずっと柳津さんに嫉妬してましたよ、俺。」
「何で?」
「あの人、距離感近いんですよ。」
城崎にそう言われて思い返してみる。
たしかに、まぁ他の奴よりはかなり距離感近いかも。
パーソナルスペースがかなり狭いんだ、多分。
「抱きついたりとか平気でするじゃないですか、柳津さん。」
「たしかにな。でも俺以外にもそうだろ?」
「そうですけど…。先輩が俺以外の人と抱きしめあったりとか、考えたくないです。」
「抱きしめあってはねーだろ。一方的に抱き付かれてるだけで。」
城崎の表情が晴れない。
でも俺だって、数少ない親友との関係は切りたくないしな。
「じゃあ、飯行くときはちゃんと連絡する。」
「本当?」
「誰と何処に何しに行くか、何時に帰るかちゃんと伝える。」
「俺が連絡したらすぐ返事くれますか?」
「あぁ、いいよ。」
「あと、飲みすぎちゃ駄目ですよ?前みたいに柳津さんにお持ち帰りとかされちゃったら嫌です。」
「お持ち帰りじゃなくて介抱な。しかもお前と違って健全な。」
さっきまで俺を尻に敷いて女王様みたいだった城崎が、今は仔犬のように尻尾垂れて俺に甘えてお願いしている。
こんなの、わがまま聞いてあげるしかないじゃん。
「酒も控えるし、そもそも飯も控える。でも涼真とは今まで通り定期的に飯は行きたい。ちゃんと連絡はする。それでいいだろ?」
「………はい。」
「まだなんか不満ある?」
「俺だって先輩の友達0にしたいわけじゃないので、これ以上は譲歩します…。」
こうして、俺と城崎の取り決めが無事終了した。
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