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下腹部の重怠さとケツの切れたような痛みに目を覚ますと、気持ちよさそうに眠る城崎が俺を大切そうに抱きしめていた。
俺、城崎とシたんだ…。
まだ地平線から昇ってきたばかりの朝日が都内を明るく照らし、部屋に柔らかい光が差した。
「先輩……?」
「城崎、おはよう。」
城崎は目を擦って大きな欠伸をした。
まだ眠そうだ。
「寝てていいよ。」
「先輩が起きるなら起きます……。」
「いや、俺も二度寝する。」
まだ余韻に浸りたいし。
でも喉がカラカラで口がくっつきそうだ。
サイドテーブルに置いてあるミネラルウォーターを口に含むと、口の渇きが潤った。
「先輩、俺も…。」
「はい。」
「やだ。口移しで飲まして…?」
上目遣いでおねだりをする城崎。
寝ぼけてるとこんな可愛いの?
もう一度ミネラルウォーターを口に含み、城崎と唇を合わせる。
「ん……く……」
「上手くできないな。」
唇を離すと城崎の口角から水が溢れていく。
俺が下手なのか、そもそも口移しとはそういうものなのか。
もう一度チャレンジしようと体を起こすと、身体ごと引き寄せられて、俺は城崎の腕の中に収まった。
城崎は俺の耳元に顔を近づけて、フッと息を吐く。
擽ったくて身じろいでいると、城崎の甘くて低い声が俺の耳を抜ける。
「綾人さん」
「えっ…」
「綾人さん、愛してます。ずっとずっと大切にします。」
「ちょ、待って、城崎…」
自分でも真っ赤になっているのがわかる。
身体中の血が滾る。
いきなりは狡い。
「ずっと呼びたかったんです。」
「ば……、やめろっ……」
「綾人さん、好き。」
「耳元で言うな…っ」
「綾人さん」
「も、いいって…」
「綾人さん、可愛い。大好き。」
城崎の身体を押して距離を取ろうとするが、力敵わず城崎に抱きしめられる。
名前を呼ばれる度、胸がきゅうっと締め付けられるような気持ちになった。
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