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翌日の昼下がり、涼真は約束通りうちにきた。
インターホンが鳴り、ドアを開ける。
「よぉ、綾人。」
「いらっしゃい。どうぞ。」
「おう。お邪魔します。」
涼真をリビングへ通し、ダイニングチェアに座るよう促す。
俺は二人分の珈琲を注いで、涼真の正面に座った。
「久々だな、綾人の家来んの。」
「そうだな。最近涼真の家ばっかりだったから…。」
「ん……。おぉ、珈琲美味いじゃん。」
「だ、だろ?豆から挽いてるからさ…。」
「「………………。」」
お互い本題に入れず、会話に間が空く。
切り出したのは涼真からだった。
「いつから?」
「えっ……と、本当つい最近。4月末…。」
「歓迎会の日?」
「うん。正式に付き合ったのはあの日だな…。」
考えたらまだ城崎と付き合って一週間弱だ。
わぁ。え、まじか。
色々早くねぇ?
盲目になり過ぎて、客観的に見て爆速で関係が進んでいることに自分自身で驚いてしまった。
「正式にって?」
「告られたのはもう少しだけ前。」
「ふぅん…。」
思えば告られたあの日から、俺は城崎のこと意識して、城崎は俺へのアピールすげぇし。
俺がOKしたからだけど、付き合う前からキスとかしてたな…。
「もうヤッたの?」
「ぶっ…!!な、何言ってんだよ!?」
「大事なことだろ。」
「…………まぁ。」
俺が小声でそう答えると、涼真はため息をついた。
やっぱ引いた…?
さすがに親友だとしても同性愛者なんて受け入れられない?
もう、涼真と親友でいられないのか…?
じわっと目に涙が溜まった。
「なに泣いてんだよ?」
「りょ、涼真…、引いた…?」
「びっくりはしたけど、引いてねぇよ。安心しろ。」
涼真は嘘つかない。
俺はほっと胸を撫で下ろした。
「別に綾人が男を好きだろうが引きはしないんだけどさ、お前もともと千紗ちゃんと付き合ってたじゃん。あのときは?」
「いや、俺男が好きな訳じゃなくて…。」
「城崎が好きなのか。」
「……うん。」
そうだ。
俺は城崎を好きになって、好きになった人がたまたま男だっただけ。
俺は城崎だから好きになったんだ。
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