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「ほら、先輩。次の台詞は先輩ですよ?」
「……ぃやっ!」
「先輩、ちゃんと読んで。先輩が先にし始めたんでしょ?俺のいないとこで。」
「うぅっ…」
城崎は意地悪だ。
気持ち程度の抵抗も虚しく、漫画のシチュエーション通りに動き、読み上げをさせられている俺。
もちろん城崎が俺に他の男の名前を呼ばせるわけもなく、名前だけはお互いの呼び方に変えてはいるが。
今からR18のシーンに突入するのだが、漫画の受け役の台詞が恥ずかしすぎて言えずに止まっている。
「先輩。」
「やだ!絶対やだ!」
「何でですか?」
「恥ずかしい!!」
もし酔っていたら、あるいは実際にこういうシチュエーションになったら言わない可能性がないこともない。
でも俺は今シラフだ。
しかも別に城崎にキスとか前戯されて思考飛んでるわけでもない。なんならめちゃくちゃクリアだ。
「先輩が読んでくれなきゃ先に進めないんですけど。」
「じゃあ進まなくていい!」
「ふーん。じゃあ帰りますね、俺。」
「城崎?!」
城崎は俺の上から離れ、鞄を持って部屋を出て行った。
このままじゃ本当に帰ってしまう。
せっかく仕事終わりに城崎に会えたのに。
嫌だ。帰って欲しくない…。
「城崎っ…、えっちして!」
「………っ?!」
「俺の身体、全部城崎のモノにしてっ!」
「先輩っ……」
漫画の中の受け役の台詞を叫ぶ。
驚いて振り返った城崎は、鞄を投げ捨て、再び俺に向かってダイブした。
身体が布団に沈んで、城崎の激しいキスが俺を襲う。
「先輩っ、先輩…!」
「ぁっん、城崎ッ…!ふっ…ぅん……」
お互いの舌が絡まって、吸われたり喰まれたりして体全体に快感が走る。
快感は全身を巡って、下腹部にどんどん熱が溜まっていった。
「淫乱ですね、先輩。」
「違う…、俺そんなんじゃ…!」
「違いますよ、先輩。ちゃんと読んで?」
まだ続いてたのかよ?!
てか、こんな台詞言えるわけ…。
「先輩、早く。続きシたい。」
「〜〜〜!!お、俺は…淫乱です……!だからもっといっぱいぐちゃぐちゃにしてっ………」
「先輩、よくできましたね。」
城崎は愛おしそうに俺に何度もキスをして、右手は俺の下腹部に到達した。
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