アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
95
-
新幹線に揺られ約2時間。
遅れがなく名古屋に到着したのはいいが、胃がキリキリする。
「先輩、大丈夫?」
「うん………。」
「ランチにしませんか?ほら、名古屋って美味しいものがいっぱいありますし!」
「今食えねぇ……。」
城崎なりに気を紛らわせようとしてくれているが、こんなに胃が痛いのに食事は無理!!
きっと城崎はまだ若いし、腹減ってるだろうな…。
「城崎は好きなの食べて良いぞ…。」
「こんな先輩差し置いて何を食えと?」
「俺は商談終わってから食う…。」
「じゃあ俺もそれまで我慢します。」
「駄目!おまえは食え!」
食え食わないと言い合いが続き、結局城崎が折れてひつまぶしを食べに行った。
俺は外の空気を吸いたくて駅前で城崎を待った。
「本当情けねぇ…。」
後輩の城崎はピンピンしてるのに、上司の俺がこんなヘタレじゃどうするんだ。
威厳もクソもねぇよ……。
「先輩、お待たせしました。気は紛れました?」
「はえーな。まぁ、そこそこ。」
「先輩がおすすめしてくれた鰻屋さん、めちゃくちゃ美味しかったです。」
「そりゃ良かった。」
あの美味しさを城崎と一緒に共有したかったなぁ…。
本当、俺の胃がこんなに弱くなけりゃ……。
「先輩の緊張解いてあげましょうか?」
「どうやって?」
取引先に向かっている道中、城崎がそんなことを言う。
解けるもんなら解いてみろとでも言うように城崎を睨むと、腕を引かれ細道に入った。
まさかと思い顔を上げると、案の定目の前には城崎の顔。
そのまま唇が重なった。
「んっ!ん〜〜っ!!」
城崎の胸を叩くも、さらに強い力で引き寄せられて離れることなんてできなかった。
舌が割り込んできて気持ち良さに力が抜ける。
「んぁ……、んっ、……チュ……、んんっ…」
城崎のされるがままになり、体重を預けた。
唇が離れ、上機嫌な城崎をぼーっと見つめた。
「先輩のトロ顔、やっぱり最高です…♡」
「…………!!!馬鹿!おまえこんなとこで何考えてんだ!!?」
「でも、緊張解けたでしょ?」
「はっ…!!」
本当だ。
なんか気持ちがさっきより全然軽い。
俺を見てクスクス笑う城崎。
俺は完全に手のひらで転がされている。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
95 / 1045