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「言えって。俺とお前の仲だろー?」
「それはそうだけど」
「じゃあはい、今から五秒経つまでに暴露な」
突然始まったカウントダウンに急き立てられるように電話の内容を話せば、冬真の笑みが更に深まった。
「へー。ふーん。新しく出来た友達ねえ」
昨日友達になった人が、今日放課後に迎えにくるって事しか言わなかった。
だからその相手が男で、更に告白されましたなんて事情は知られない筈。
「そうなんだ。だから今日は一緒に帰れないや。……ごめん」
「いや。それはいいんだけどさー。何おまえ、彼女でも出来たのか」
「か、彼女じゃない!」
条件反射のように勢いよく返してから、ハッと息を呑んだ。
しまった。きっと冬真は、いつも通り冗談で言ったんだろう。
必死に否定してしまったけど、これじゃあ自分から何かあったって言っているようなものだ。
不審者を見るような目で俺を見た冬真から、慌てて視線を逸らす。
膝の上で拳を握る俺の掌が、嫌な汗でジワリと滲んだ。
「と、とにかく何でもないから」
「……ふーん。別にいいけどさ。昌平の本命、また紹介しろよな?」
「だから違うってば!」
ニヤニヤと口角を上げて笑う冬真に、焦りばかりが募っていく。
この状態で今日会うのが男だってバレたら、ますます変な誤解が生まれそうだ。
血の気が引いていきながら、運命の放課後が来ないことを願うことしか出来なかった。
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