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恐れていた運命の時間が、ついに来てしまった。
「昌平、今から帰るんだろ? 正門まで一緒に行こうぜー」
俺の憂鬱な気持ちに気づかず、呑気に肩に腕を回した冬真を横目で睨みつけて、本日何度目か分からない溜息を吐く。
「何だよ。嬉しくねーのか? 折角迎えにきてくれるっていうのに」
「冬真、絶対なんか勘違いしてるだろ」
「何が」
「……なんでもない」
本当に帰りたくない。というか、この場所では会いたくない。
いっそのこと、既に帰ったふりをして教室に居座ってやろうか。
最低な考えが頭の中を占め始めるも、携帯の震えによってその考えは打ち消された。
「昌平の携帯からだぞ。出ろよ」
「……うん」
絶対に木下さんだ。
出たくないけど、出なかったら後々何かが起きそうで怖い。
昨日出会ったばかりの時に見せつけられた凄味を思い出して、ぶるりと体が震えた。
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