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「……何、やってんだ」
地を這うような声に聞き覚えがあって、俺の全身がぴくりと反応した。
「あ、夾! やっほー」
俺の首に噛みついたまま、木下さんに手をふる垣内さんの態度が余裕しゃくしゃくで憎らしい。
木下さんの目の前でも、よく平凡男に絡んでいたというし、見られるのは慣れているのかもしれない。
こんな事になるのなら、木下さんの言葉に怒ったりせず、素直に忠告を聞いておけばよかった。
今更反省したところで、もう木下さんは呆れているだろうし、去って行くんだろうけど。
「どけ、心」
「え?」
「お前が親友でも、コイツだけは譲れない」
ドクリと心臓が高鳴った瞬間、木下さんの力強い手に腕をひっぱりあげられて、胸の中に閉じ込められる。
「き、きのし」
木下さんに抱きしめられてる。
パニックになって、腕の中で暴れる俺を簡単に封じ込めながら、木下さんが垣内さんを睨みつけた。
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