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ー友情ー22
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体の中からゾクっとするような爆発音。
そしてガラスの割れる音と共に悲鳴のような声も聞こえてくる。
「……爆発!? って、俺も行かねぇとっ!」
望の方も今の爆発音を聞いて急いで現場へと向かうのだ。
爆発事故なら少なくとも怪我人はいる。
そう思った望は医者という仕事をしているからなのか頭より先に体の方が先に動いていた。
息を切らしてまで望が現場に駆け付けた頃には、先に消防車で現場に来ていた雄介達消防隊がもう既に消化活動を始めていた。
現場は街外れにある地上4階建ての小さなビル。
どうやら、そのビルの4階部分で爆発があったようで地面にはガラス片が散らばっていた。 周辺を見渡してみると今の事故で難を逃れた人達が道を挟んだ反対側の歩道にいる姿が入って来たようで望はすかさず怪我人の救護に当たるのだ。
そして次から次へと応急処置を行い待機している救急車の方に搬送要請をし怪我人を病院の方へと送っていた。
望がこう怪我人の救護にあたっていると遠くの方から懐かしい声が聴こえて来る。 懐かしいというのか久しぶりに聞く声だ。
その人物も怪我人の救護にあたっているのか、
「お怪我の方は大丈夫ですか? 痛む所はありませんか?」
と聞いていた。
「あ……この声は……まさか!?」
望はその言葉と同時に顔を上げるとそこにはちょっと前までコンビを組んでいた和也の姿があった。
喧嘩をしたとはいえ、ちょっと前まで一緒に仕事をしていたのだから望だって少しばかり和也の事を気にしていたところだ。
久しぶりに聞く声に気になるところなのだがそう考えている間にも怪我人の手当ての方が先だと思ったのか下を向いて怪我人を手当てしていく望。
「望!」
そして急に誰かに声を掛けられるのだ。
望からしてみたら声だけでいや寧ろ望の名前を呼ぶ人間というのは望の周りではきっと和也しかしないだろう。 だからなのかいつものように返事をする望。
「あ、ああ……なんだよ……」
「あのさ、俺に指示出してくれねぇか? 確かに俺だって応急処置位は出来るけど、それ以上の事は医者のお前じゃないと出来ない事だろ?」
「あ、ああ……分かった……」
望はその和也の言葉に返事をするのだ。
そうだ、今のこの状況では自分達が喧嘩をしていた事なんて関係はない事。 だから、和也と一緒になって目の前にいる患者さんを助ける方が上だろうと思った望は次から次へと和也に指示を出していく。
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