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ー友情ー32
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和也は望の事を引っ張ってトイレの方へと向かう。
「まぁ、俺は看護師だからさ……薬剤師に言えば、こういうのって楽々手に入るんだぜ。 しかも、コイツを扱うのもプロなんだから俺に任せてくれたらいいって事だしな」
望はその和也の言葉に顔を赤くしたままトイレに連れて行かれるのだ。
トイレに行かされた後に望と和也は再び部屋へと戻って来ると、和也にそのままソファへと押し倒される望。
「本当はこういうやり方はしたくなかったんだけどな……。 俺的には望にちゃんと告白して望と晴れて恋人同士になって、望の事を抱きたかったんだけど……? まぁ、今回の事は仕方がなかったって所かな? 今の望はアイツしか頭にないようだし、だからさ、俺が望の事を考えるのは今日で最後にするよ……」
和也はそう望の瞳を真剣な眼差しで見つめながらも、どこか悲しげな表情を見つめている。
そして、和也は望に向かって頭を下げた後に望の事を抱くのだ。
そんな和也に望は何も答える事なく、ただただ無言のまま和也に抱かれただけだ。 そう、そこまで言われてしまうと返す言葉がなくなってしまったというのが正解なのかもしれない。
今の和也の言葉で、望は和也が本気で自分の事が好きだったという事が伝わってきたようだ。
だから、望は和也が今からすることに抵抗する事はしなかったのであろう。
それから暫くして和也は望の事を抱けて満足したのか望から離れると溜まっていた仕事を始める。
そんな和也の後ろ姿に望の方も切なそうな瞳で見つめ続けるのだった。
この病院で和也と一緒に働き始めて、初めて和也が望の事を好きだという気持ちを知った。
そう今の事で望は余計に悩んでしまったようにも思える。 今まで親友だと思っていた友人に告白され、それにこの前会ったばかりの男性にも告白されているのだから。 悩まない人間はいないだろう。
しかし今まで人生の中で一度に2人の男性に告白されるなんて今までなかった事だ。
望は軽く息を吐くとふらふらとしながら立ち上がり、和也の隣にある自分のディスクへと向かうのだった。
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