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ー友情ー44
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「ああ、だから早く治せよ……。 それに今度からは身近に怪我をすれば心配してくれる人がいるんだって事忘れるんじゃねぇぞ……」
望の中ではそんな事、普通なら照れ臭くて言えない事なのかもしれないのだが、告白の返事なのだから相手に誠意が伝わるように頑張って言ってみたようだ。
「あ、ああ……せやな……。 先生の言う通り早く治すな……。 ホンマこれからは怪我に気を付けるようにするな……」
「先生って言うなよ……。 今はもう……恋人なんだろ?」
望にそう照れ臭そうに言うと、雄介は望のネームプレートを見上げる。
「ほんなら、今度っからは、先生の事……望って呼んだらええって事なんやな……」
「あ、ああ……まぁ……」
自分でそう言っておきながらも最終的に雄介の顔を見ていられなくなってしまったのか雄介から視線を外してしまっていた。
そんな望に雄介はクスリとすると、
「ホンマ……先生って、可愛えのな……あ、先生やなくて……望やったんやっけ?」
雄介はそのままの勢いで半身を起こして望の体へと抱きつこうとしたのだが、
「……うっ!」
「ほら、まだやっぱ、傷口が痛むんだろ? 無理するんじゃねぇよ……」
そう言いながら望は半身を起こし掛けていた雄介の体を横たわせる。
「……っ……スマンな……」
「いいって……気にすんなよ……。 じゃあ、後は明日な……。 さっきの事、刑事さんに話すんだろ? それまでゆっくり休んでおいた方がいいんだからさ……それに、怪我とか病気とかした時には寝るのが1番! なんだからよ……」
「ああ、ほな、おやすみ」
「ああ……」
望は雄介が寝るまでの間、この病室にいて雄介が寝たのを確認すると部屋へと戻る。
部屋に戻るともう人の気配はなく和也のジャンパーがハンガーに掛かっていない所を見ると和也はもう帰宅したのであろう。
「流石に和也の方も帰ったか……」
電気を点けてもやはりそこには人の気配はない。 和也のカバンもないのだから、当然、和也はもうここにはいない。
「俺も帰るかな……?」
望の方も白衣を脱ぐとハンガーに掛けてあったコートと入れ替える。 そして机の中に入っている車の鍵を取り出すと駐車場へと向かうのだ。
そして、翌日。
警察は雄介の病室へと入ると、望と和也も雄介の病室へと入るのだ。
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