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・・・痛ぇ。
ガンガンする頭の痛みに、俺はほんの少し目を開けた。
・・・黒い?
自宅の白い天井のはずが、真っ黒の煤けた天井が見えて、俺は意味が分からず眉を顰めた。
・・・なんで天井が黒いんだ?
ゆっくりと自分の居る場所を確認しようと首を回すと、頭に何か当たった。
「・・・フェイスガード?」
後頭部を包むツルを引き剥がして、起き上がった。
「えぇ?!」
真っ裸の自分にも驚いたし、古い喫茶店にいるのにも驚いた。
・・・ッてぇ!!
自分の声が頭に響いて、痛みにもう一回ひっくり返った。
まさかまさか、喫茶店のおばちゃんに拾われて食われたってことか?!
それとも、俺が喫茶店のおばちゃんを襲ったってことなのか?!
ひっくり返ったまま、そっと息子を持ち上げて使用状況を確認した。
・・・か、カピっては、ない。
多分だけど、使用していないはずだ。
ふ、ふ、服はどこにあるんだ?!
昔ながらのソファーは赤いベルベットの生地で、椅子の奥にコイルが入っているのがわかる。
弾力があるんだか無いんだかよく分からないそれに手を置いて、今度はゆっくりと起き上がった。
煙草の煙とコーヒーの油が染み込んだ店内は、古き良き昭和を感じさせた。
ナポリタンや玉子サンドが似合うここは、常連客が多そうなところだった。
・・・ヤバイ、何でこんなところで裸でいるのか思い出せない!
床には、スポーツタオルが一枚落ちているだけだ。
着ていたはずの服は、下着でさえ一枚も見当たらなかった。
裸だし、財布もスマホも見当たらない現状、外に逃げ出ることは出来なかった。
とりあえず落ちていたスポーツタオルを腰に巻いて、酔いを覚ますために水をもらおうと立ち上がった。
と。
「あれ、起きた?」
喫茶店に不釣り合いな、大学生くらいの男の子が八重歯を見せて二階から降りて来た。
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