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俗説だが、お肉屋さんの車のナンバープレートは、2983(肉屋さん)や1129(良い肉)だったり、サーファーの車のナンバーは1173(良い波)が多いと聞いたことがある。
因みに昔の彼女の暗証番号は、2918(肉イヤ)。痩せたいからと笑っていたことを思い出した。
「絶対、4989(よく焼く)だよ!」
「・・・焼肉屋かよ。」
「あれ?喫茶店だったっけ?」
なら、1154(良いコーヒー)かな?
ブツブツと独り言を唱える、数字地獄に陥った悪友の横顔をチラリと見て、俺はサッとシャッターを降ろした。
・・・昨夜は、悪いと思うならセックスをして欲しいと強請られた。
もしかして、挿入しなかったのがマズかったってことはないよな?
浮かんだ考えを全否定した。
・・・多分だけど、忍は抱きしめられて愛を感じたかっただけだと思う。
愛情に飢えている子なのだから。
忍のことを全然知らない。
そして忍も俺のことを全然知らないのだ。
忍、どこかで夜の相手を探していないだろうか。
忍が他の誰かに抱かれるなんて、想像しただけで吐き気がするし、胸がキリキリと痛む。
この所有権を振りかざしたい気持ちは、覚えがあるのだ。
多分、同情を超えてる。
これは、好きってことだ。
・・・男なのに。
そう、忍はいくら可愛くたって男だ。
男だけど、多分、好きになってしまっている。
弟のように、とかいう感情ではないだろう!
だって、また出会えたら抱きしめてキスをして、めちゃくちゃ甘やかしたいと思っているからだ。
どこに行けば会えるだろう。
どうしたら、辿り着けるだろう。
手掛かりは、名前と病院しかない。
だが、病院は望みが薄過ぎる。
なら!
「・・・加藤、現場100回って言ったよな?」
「4154(良いコーヒー)って、え?」
「現場に行くぞ!」
「え?!」
加藤の首根っこを掴んでちょうど開いた扉に突っ込んだ。
「うわぁ!」
「こうなりゃ、付き合ってくれ!」
こうして俺たちは、現場へ向かって走り出した。
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