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あんぽんたんって、何だったっけ・・・。
その前に、不思議な言葉も聞いた。
「手錠・・・?」
手錠って言ったよな。
「俺は捕まるようなことはしていない。」
「合意だとしても、だ!」
忍も年齢的には大人だ。
なんせ未成年の子と体を重ねたわけじゃない。
加藤と睨み合った。
「お前、応援してくれてた訳じゃないのか?」
「最初は応援してたさ!でも分かったんだ!!」
加藤が立ち上がった。
「暗号を解いちまったんだ!!」
そして俺は人生初、本当の意味でぶっ飛ぶことになる。
------------※ ※ ※------------
俺たちは睨み合ったまま、確認しあった。
「暗号って、アレか。」
「そうだ、アレだ。」
忍の手紙、
『賞味期限切れの卵って、どういうこと?』だ。
心臓が痛いくらいに早く打ち始めた。
「・・・どういう意味なんだ?」
加藤は力なく首を振った。
「・・・知らない方が良い。」
「ここまで言っておいて、それは無いだろう?」
ちゃんと教えて貰わないと、先に進めない。
「本当に良いんだな?」
「ああ、覚悟は出来てる。」
嘘だ。
もし、その手紙の真意が俺に否定的なものであれば、俺の心は打ち砕かれると思う。
それでも、知りたかった。
忍が最後に俺に残した手紙の本当の意味を。
「・・・忍ちゃんから縛られてるお前を想像すると、俺は悲しくなるんだ。」
彼女みたいな台詞に、俺は苦笑した。
「それが恋ってもんじゃないのか?」
加藤が変な顔をした。
「新里、歪んでる。」
「いや、真っ直ぐだ。たぶん、これは間違っていない。」
男とか、ひとまわり以上の年齢差とか、気になることはいろいろあるけれど。
嫁から捨てられた俺を、あの場所で忍が拾った。
知らなかったけど結果的に、閉店する店で最後の時間を過ごさせてもらった。
そして、おばあちゃんと会った。
運命とか、信じちゃいけないだろうか。
体から始まる、不純もいいところの出会いだけど、すっかり魅了されてしまった俺は、歪んではいないと思う。
「・・・俺がお前の性癖を色々言うべきじゃないと思う。」
え?
忍が男だって、いつ話したっけ。
「でも、忍ちゃんは縛りたくなかったんだと思う。」
「・・・。」
縛りたくない、か。
おばあちゃんの事だろう。
先の短いおばあちゃんへ、俺をすみれさんの婚約者として紹介したから。
「忍はそうかもしれない。だから、きっと出て行った。」
「なら・・・っ!」
俺は首を振った。
「忍のことを、忘れられない。会って抱きしめたいし、あらためてやり直したい。」
加藤が真っ赤になった。
「ヤリ直したいって!!」
「ダメか?・・・好きになってしまったんだ。」
頭を掻きむしる加藤に、俺は安心させるように微笑んだ。
「嫁から捨てられたからって、代わりってわけじゃない。」
「だからって、SMを強要するやつがあるかーーーー!!!」
・・・え?
「忍ちゃんは鞭打ちとか嫌だったんだよ!目を覚ませ、新里!!」
ガクガクと肩を揺さぶられて、思考がカタカタ落ちていく。
「もう逃げ出した忍ちゃんのことは諦めろ!夜の相性は、大事なんだッ!」
・・・むち、うち?
「な?今度、そういう店探してみるから!」
・・・えすえむ?
えすえむって、さっき言ったか?
「今回は諦めろ。な?」
だれが、えすえむ?
え?
え?
「え?」
待て、待て待て。
「ちょ、待て!待て加藤!」
俺は聞こえてきた言葉を整理しつつ、加藤に呼びかけた。
「いま、SMっつったか?」
「おー。」
・・・。
「ダレとダレが?」
「忍ちゃんと、新里。」
・・・え?
「お前がドMっていうのは、よく分かった!けど、目を覚ませ!」
「・・・え?」
俺と忍・・・?
いや、俺がドM・・・?
「ええーーーーーーー!!!!」
俺はカウンターの椅子ごとぶっ飛んだのだった。
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