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びくぅッ!!
その場にいる全員が、その怒号に飛び上がった。
ちょうどその時、忍は父親だと思い込んだ不動産屋のおじさんを攻略すべく風見の腰に掴まっていたが、びっくりして思わずヒュッと息が止まった。
「そこ、手ぇ離して一列に並べや。」
・・・やだ、ガラが悪くなってる!!
初めて見る不動産屋のおじさんの態度に、忍は縮み上がった。
待って、待って。
こんなにガラが悪い人がお父さんなの?!
壁際に杖を向けながら位置を指定する様は、まるでソッチの世界の人だ。
「背広、お前も並べ。」
「は、はい!」
歩さんのお父さんである大久保先生も並べさせられて、すごい絵面になった。
歩さんが抱きしめてくれて、ぼくはようやく息ができた。
「忍、大丈夫か?!」
「う、うん。」
思わず、歩さんの胸にギュッと額を押し付けた。
心臓がドキドキして、苦しすぎる。
状況が飲み込めなくて、短い呼吸を繰り返した。
「せっかく・・・その紹介してくれたのに、ごめん。」
歩さんのお父さんに申し訳なさすぎる。
これも、不動産屋のおじさんううん、お父さんのせいだ。
あの背の高いお兄さんは、裏でお父さんが雇っている悪い人かもしれない。
襲撃犯の姿を確認するべく、歩さんの胸から顔をあげた。
「・・・え。」
・・・尊敬している杉さんの姿に、腰が抜けそうなくらい驚いた。
「な、んで・・・?」
その問いに、壁際に並んだ殆どの人物がこう答えた。
「「「(忍ちゃん)
(忍さん) のために。
(息子) 」」」
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