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178 after story 64
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「俺な、忍のことを心底好きだ。こんなおっさんが、忍みたいに若い未来ある子を独占するって、世界的損失だと分かってる。」
・・・びっくりした。
急な告白に驚いたけど、世界的損失の意味が分からなくて口がポカンと開いた。
「こんなに人を好きになった事って、正直無いんだ。」
ぼくも。
ぼくも、同じ。
同じだよ。
「ずっと一緒に居たくて同棲生活に持ち込んだし、会社も辞めた。・・・でも、最近思うんだ。」
不安そうに、歩さんの瞳が揺れた。
「忍にとって俺の気持ちが重すぎてたりするのかなって。」
!!
まさかの言葉に、ぼくは慌てて口を開いた。
「そんな事ない!逆に、ぼくが最低だから嫌われちゃうんじゃないかって思ってて!!」
「・・・最低?」
口の中で含ませるようにゆっくりと復唱されて、ぼくはカクカクと首を縦に振り下ろした。
「だってすぐ勘違いするし、バカだし、歩さんに足りない年齢だし、それに・・・ッ!」
それにあの時、最低だって言われた!!
最後の言葉まで言えなくて、ギリギリと唇を噛んだ。
そんなぼくの顔を見た歩さんは、少し黙ってから、頭をぽんぽんと撫でた。
「・・・忍、言いたいことや不満を溜めたら爆発するって知ってる?」
・・・爆発。
ふと、風船がどんどん膨らんで爆発するイメージが湧いた。
「多分、俺って鈍いから何か怒らせたんだと思う。・・・さっきも言ったように、俺って自己中で生きてきてて、でも本気で忍の事を好きになって、だから何を言いたいかというと。」
ギュッと抱きしめられた。
「忍の気持ちを知りたい。良いことも悪いことも、不満でさえ知りたいと思ってる。・・・これも我儘なのかもしれないけど、全部、全部知りたい。教えて。」
全部、話す・・・?
「大丈夫、嫌いになんかならない。大切だから、忍の心のわだかまりとかあったら聞きたいし、一つ一つ知ることでもっと深く分かりあうことが出来るようになると思う。」
歩さんはそこまで言うと、静かになった。
ぼくの言葉を待っているのが分かって、心臓がドキドキした。
「・・・言って、いいの?」
「むしろ、言って欲しい。」
ぼくは瞳を閉じて、言葉を探した。
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